MRO北陸放送・保蔵篤史記者
「輪島市門前町の海岸に体長5メートルほどでしょうか?クジラと見られる死骸が打ち上げられています」

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2月25日、輪島市門前町赤神地区の海岸で通りがかった人が、黒い色をした体長約5メートルのクジラとみられる生物を発見しました。地元の人は「めったにないけれども、昔クジラがあがったという話は聞いたことがある」と話します。

イルカやクジラなど鯨類に詳しい“のとじま水族館”の松岡さんに映像を見てもらうと…

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のとじま水族館・海洋動物係長・松岡哲也さん
「これはオキゴンドウという種類のハクジラの仲間ですね。大人になった大きさが4メートル以上になったものをクジラ、それ以下をイルカ、仲間ですね生態的には」

オキゴンドウは大きな歯を持ち、マグロやイカなどをエサとするクジラの仲間で、沖縄や九州など温かい海に生息しているため、石川県に漂着するのは珍しいケースだと話します。

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松岡さん
「(今回あがったのは)5メートル10センチくらいでしたかね?オスの成獣ですね。県内でも網に入ったりとか、目撃情報は少なからずあるんですが比較的少ないですね。」

では、今回オキゴンドウが漂着した原因はいったいなんなのでしょうか?

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松岡さん
「いろいろ考えてもちょっとわからないんですよね。体に大きな外傷もないですし、病気にかかっている痩せも見られないですし、原因はわからないですね」

かつては、オキゴンドウのショーを行っていたのとじま水族館でも、生態など、まだまだ不明なところもあり、打ち上げられた原因はわからないそうです。

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突然、漂着したオキゴンドウですが、現在、県と輪島市で処分方法を検討しているということです。

一般財団法人日本鯨類研究所によりますと、鯨類など死んだ状態で漂着する“ストランディング”は冬場に多く、ここ数年では、太平洋側で多くなっている傾向です。SNSや報道の影響などもあってストランディングの情報が多くなっているのも要因と見られます。打ち上げられたイルカやクジラなどを発見した場合はむやみに近づかず、管轄する自治体に連絡してほしいとのことです。