石川県内でも4月に水素ステーションが2か所、開業しました。
国が普及を進めるこの「水素エネルギー」の将来について考えてみます。
▽馳知事
「石川県の新年度予算の一番の目玉と言っても過言ではありません」
4月26日、県内で初めて水素を提供する「水素ステーション」が、輪島市ののと里山空港と金沢市の県地場産業振興センターの2カ所にオープンしました。
のと里山空港でのオープニングセレモニーで馳知事が発言した「水素ステーションは県の新年度予算の目玉」。石川県が脱炭素社会を目指すための第一歩として歩みだした大きな期待の表れです。
県の水素ステーションでは、水を太陽光などの再生可能エネルギー由来の電気を使って分解し、水素をその場で製造するのが特徴です。作られた水素は、燃料電池自動車に提供されます。
▽燃料電池自動車に初めて乗る牛田和希アナ
「エンジンをかけてみると…(ガソリン車と)全然違うな!音がしない」
「ちょっとアクセル踏むだけで優しく伸びていく感じがしますね」
「これで遠出してみたいな」

地球上に無限に存在する水素は国内で生産することができ、さらに利用段階で二酸化炭素を排出しないことから温暖化対策にもつながります。生産過程でも二酸化炭素を排出しないため脱炭素時代の「究極のクリーンエネルギー」として注目され、燃料電池自動車の普及拡大を目指す理由とされています。
▽馳知事
「石川県内の19の市町に1台ずつ公用車を導入していただけるといいのですが。19の市町にステーションもあれば、安心して県内を運転できますし、レンタカーがあれば観光客向けにも良いと思う」
「水素ステーション」は、全国には37の都道府県で166カ所が稼働しています。
未整備は10県あります。
※2023年4月現在
北陸三県では、富山県が先行して開業し、続いて福井県、そして4月、石川県内でも運用が開始されました。

▽牛田和希アナ
「お隣、富山県にやってきました。こちらが北陸で初の水素ステーションなんです。」

「水素ステーションとやま」は、富山県高岡市内の工場で作られた水素をトレーラーで運び提供しています。
こちらも石川県と同じく予約制となっていて、充填時間は、ガソリン車とほぼ同じ数分だということです。
富山県内で走っている燃料電池自動車はおよそ50台。
県内からも数台、充填に来てると言いますが、利用が伸び悩んでいるのが実情です。
▽燃料電池自動車の利用者は…
「買う動機は運送会社を経営しているので、社長の私くらい排気ガスを出さない車に乗ろうと思ったので。600キロ前後走ります。(乗った感想は?)静かなところ。加速はいい。ガソリン車よりも。(今まで遠出はしてないが)石川の観光も行きたいですね。
▽富山水素エネルギー促進協議会若木洋介事務局長
「富山が北陸で最初の水素ステーションだったので、スタートも限られた地域でのスタートになっていてその後に福井だったり石川だったりして、面的な広がりに準じて台数が増えていくのでは。」
トナミ運輸などは、ディーゼルエンジン並みの出力を出せる水素トラックの実用化に向け走行試験を開始したと発表しました。試験では、車両総重量が最大でおよそ8トンにもなるトラックをスムーズに運転できるか、およそ300キロの航続距離を確保できるかなどについて検証を重ね、2026年度の販売開始を目指しています。
▽燃料電池自動車の利用者は…
「環境経営しているので将来的に水素トラックの普及には協力したいと思います。」
▽富山水素エネルギー促進協議会 若木洋介事務局長
「水素が得意な分野とEVが得意な部分は違うと思っていてセダンタイプは、EV化が進んでいくだろう。水素がより得意と言われるのが大型車。トラックであったり、バスであったり大きな車両に向けての利用拡大を期待している。」

この水素に関しては、国も本腰を入れていて岸田総理が4月の再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議で「脱炭素の突破口として期待される水素については、世界に先駆けた国家戦略として、国内では規制や支援一体型で制度整備を早急に進める」と話し、5月末を目処に「水素基本戦略」を改訂するとしています。
内容は、2040年までに水素供給量を現在の6倍となる年に1200万トンとする。
脱炭素に今後15年間で官民合わせて15兆円を投資するなどとなっています。また個別の目標として経済産業省のロードマップでは、水素ステーションは、2025年に320か所、2030年には900か所の設置を目標としています。燃料電池自動車は2025年に20万台、2030年には80万台を掲げています。

燃料電池自動車について乗車してみたい方は、トヨタレンタリース石川がMIRAIを今なら特別価格でレンタルしています。詳しくはトヨタレンタリース石川のHPで確認してください。