石川県白山市の商社が、SDGsの観点から天然素材だけで作ったラップを開発しました。デザインには障害者のアート作品を採用し、製造は障害者施設の入所者が手がけています。SDGsの1番「貧困をなくそう」から17番「パートナーシップで目標を達成しよう」まで11のゴールに貢献した取り組みです。

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横山商会 修田美香さん
「環境にやさしいということで、これを使うことは地球に良いことということから『eco』をこの『e』をイイと読ませて、イイコトラップという名前にしました」

「イイコトラップ」を発案した横山商会・修田美香さん


天然素材だけで出来たエコなラップ製品。その名も「イイコトラップ」。開発したのは、去年、創立100周年を迎えた白山市の商社、横山商会です。エコラップのアイデアを出したのは、ブランディング推進室の修田美香さん。およそ2年前に募集があった社内の新規事業に応募し、エシカルな商品を販売するブランドを立ち上げることになったといいます。

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修田さんは普段から環境問題に関心があり地球環境や社会に配慮した「エシカル」な商品を販売したいとエシカルブランド「未来の木」を立ち上げました。今月オープンしたネットショップ「よこやま商店」のエシカル商品第一弾がイイコトラップです。

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原料は能登町の養蜂場で作られたミツロウ。これを溶かしてオーガニックコットンにたっぷりしみ込ませたプラスチックを使わない天然素材のラップです。

横山商会 修田美香さん
「一般的にミツロウとオイルと水と樹脂を混ぜたものをオーガニックコットンに染み込ませて作られるんですけども研究の時点でオイルを混ぜたり、樹脂を混ぜたりしていたんですけれども最終的にミツロウだけを100パーセントしみこませたものがいいなということになって、このイイコトラップはオーガニックコットンとミツロウだけで作られています」

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ミツロウは、抗菌や保湿効果が期待できる素材。直接、食品に触れることに抵抗ある人もぜひ試してほしいと話します。イイコトラップのエシカルポイントの1つは水洗いができ、繰り返し使えるのでゴミがでないこと。そしてもう一つは天然素材だけなので使えなくなったら土に還すことができるサステイナブルな点です。

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横山商会 修田美香さん
「このイイコトラップがきっかけ初めて障害者アートにふれたがどの商品も本当にステキなもので微力ながらイイコトラップがきっかけで障害者アートを知っている方が増えたらいいなと思っています」

デザインには障害者のアート作品を採用、兄弟アーティストとして活躍中の輪島寛太さんと楓さんの作品もラップになりました。また、障害者の仕事づくりに繋げたいと考えましたがこれに一番苦労したといいます。

輪島寛太さん
 

横山商会ブランディング推進部 田畑室長
「障害のある方に作って頂こうとせっかくなのでというところでもう本当に4件、5件、施設にお伺いして、実際に見て頂いて。もう見て頂いただけでお断りされた方も当然ありますし。作業が難しいからとなかなか良い返事がもらえませんでした」

そうした中、イイコトラップの製造を引き受けてくれるところがみつかりました。内灘町にある就労支援施設うちなだの里です。

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うちなだの里 北真人施設長
「横山商会さまのSDGsに対する取り組みについて御協力できたらなと思いお引き受けしました。少しずつホットプレートでミツロウを均一に塗るところだとか、その前工程である糸くずをしっかりとるというところが大変だなと思っております。最初は不慣れで自信がなくお仕事していたんですけども少しずつ慣れてきて自信がついて今ではもうしっかりミツロウラップの方を作って頂いているのでとても楽しく思います」

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天然素材に障害者アート、そして、障害者の仕事づくりにつながるみんなに優しいイイコトラップ。修田さんは、今後も様々な商品を開発していきたいと意気込み、日々の暮らしに少し変化を加えることでエシカル行動に変えられるような取り入れやすい商品を提案していきたいと話していました。