9月11日は「公衆電話の日」。今から約120年前のこの日、日本初の公衆電話が東京の新橋駅と上野駅に設置されました。まちなかから姿を消しつつある「公衆電話」の今を取材しました。

30代夫婦
「小さい頃に携帯電話がないときに親に電話したり、外で遊びに行った時にかけていた。使い方は覚えていないので確認しておこうかな」

60代男性
「当然外に出れば電話と言うのは公衆電話しかなかった。プライベートだと女性の家に電話するとか、時間が長くなるのでお金いっぱい使ったな…」

1900年、東京の新橋駅と上野駅に1号機が設けられた公衆電話。当時は「自動電話」と呼ばれ、交換手に電話を繋げてもらってから、お金を入れる仕組みでした。

兵藤遥陽アナウンサー
「東京で初の公衆電話が設置された2年後、石川県ではここ金沢駅に設置されました。当時から多くの人が家族への連絡手段などで活用していたようです」

しかし、1980年代の半ば以降に携帯電話の販売が始まると、まちなかに多く見られた公衆電話は年々減少。県内の設置台数は、2000年からの約20年で6分の1にまで減ってしまいました。
総務省調査で7割超えだったの回答とは…
さらに、総務省が2020年に行った調査によると、公衆電話を「過去1年間利用していない」と回答した人が、なんと7割を超えたのです。

20代女性
「親と連絡するのにスマホとか携帯電話が使えなかったので使ったくらい。1回くらいはあると思うが使い方とかははっきりと覚えていない」

20代男性
「最近はないですね…今使うにしても、多分、ボタンを押すだけなんで使い方には困らないのでは?と思いますが」

ところが、10円硬貨を渡して実際に使ってもらうと…。
20代男性が“久々の”公衆電話に挑戦するも…
20代男性
「あれ、小銭が出てきた…」

受話器を上げる前に、硬貨を先に入れてしまいました。
「小銭を先に入れるのかなって思って、入れたら下から出てきたので『あれ?』って感じでした…実際にやってみるとやっぱりやり方を忘れちゃってるなって」

皆さんは、公衆電話の使い方、正しく理解できていますか?重要なポイントは、「受話器を取ってから」硬貨やテレホンカードを入れること。それからダイヤルすると電話が繋がります。

NTTに聞いてみたら…「公衆電話は無くならない」なぜ?
減少の一途をたどる公衆電話ですが、NTT西日本北陸支店によりますと、将来的にその数は「ゼロ」にはならないといいます。

NTT西日本北陸支店・宮野玲子広報室長
「弊社としても、基準にそって2031年をめどに従来の台数の3分の1から4分の1にまで削減予定だが、公衆電話が再び脚光を浴びるきっかけとなったのは、去年7月に発生した携帯大手KDDIの大規模な通信障害。

公衆電話は、災害などで回線が混みあっている場合でも通信規制の対象とはならず、災害時や緊急時の連絡手段として重要な役割を果たします。110番や119番通報の際は無料で使えるほか、停電時にも稼働するといいます。

なかなか目にする機会が少なくなった公衆電話。もしもの時に家族や友人と繋がる命綱として、私たちの暮らしを見守っています。