秋といえば…スポーツの秋や読書の秋など様々な楽しみ方がある季節ですよね。その中でも、食欲と芸術の秋に注目、一緒に楽しめる作品を手がける金沢市の作家を紹介します。こだわりは美味しそうに見える作品です。

綺麗な焼き色がついたクロワッサンに、ふわふわのクリームパン。そして、メロンパンは…かばんに埋め込まれています!!見るからに美味しそうなパンを手がけているのは、金沢市の染色作家RicoPanさん28歳。

RicoPanさん
「もともとおいしそうなものが小さい時からすごく好きでおいしそうなものというよりも色とかでおいしそうかどうかで洋服の色を決めるとか。ミントチョコのアイスっぽいなとか、アンパンの焼き色みたいだなとかそういう子供だったので自然とこうなった」

RicoPanさんは、皮や布に染色しパンや果物、料理などをモチーフにしたバッグやアクセサリーを制作。追求するのはリアルさよりもおいしそうに感じるかどうか。
パンの香ばしさやパリッとした焼き色は皮に少しずつ染料を重ねることで調整していきます。RicoPanさんは染色のこだわりを「革がもともと立体になっているので、出っ張っているところが良く焼けそうだなとか考えながら焼きたての美味しそうな感じが出てくるように意識して染めている」と話しました。

京都府宇治市出身のRicoPanさん。金沢美術工芸大学工芸科の染織コースを卒業後、一旦は県外の企業に就職しますが、大学時代の同級生と共同でアトリエを構えることになり、3年前金沢に戻ってきました。
RicoPanさん
「金沢には“もの”を作って生きていくことを志している人が周りにもすごくたくさんいるので、それは心強いというか目標になる」
この日、RicoPanさんが参加したのは10月9日に金沢市の犀川緑地で開かれるイベント、原っぱ運動会の公開ミーティングです。染色作家だけでなく、デザインやイラスト制作も手がけるRicoPanさん。イベントではチラシなどのイラストを担当しています。RicoPanさんは「原っぱで楽しんでいる様子や思い思いに過ごしている様子を可愛いなとかほっこりするなという気持ちで見てもらえるようなデザインを考えた」とチラシのポイントを話します。
開催まで1か月を切り、この日は参加アーティストの確認や、タイムスケジュールなどを記したパンフレットなどの構成を話し合っていました。イベントを主催する金沢アートグミ上田陽子さんはRicoPanさんについて「柔らかいながら行動力があるとか思っているのでそういうのをひしひし感じながら全貌がまだつかみ切れていないおもしろさがあると思う」と魅力を語りました。
RicoPanさんのもう一つの顔。若手作家のことをもっと知ってもらいたいと、アトリエの共同運営者と始めたギャラリーショップ兼カフェのモノゲン堂の店主です。店内には陶芸や染色、鋳金、イラストなど県内外の若手作家の作品が展示販売されています。「自分たちが作家として生きていくうえで、若い人がモノ作っているということを同じ若い人にも知ってもらえるような場所が出来たらいいな」RicoPanさんが店をオープンした狙いです。

気軽に立ち寄ったカフェでの作品との出会い。RicoPanさんが小さいころから憧れていた夢を形にしました。
RicoPanさん
「おいしそう以外の私のすきな物や作りたいものを少しずつ増やしていきたいどんな形であれ何かをつくるということを辞めないことをしたい」