大手コーヒーチェーン店・スターバックスの全国の店舗で、廃棄の恐れがある商品の値引き販売が始まりました。社会問題となっている「食品ロス」削減のためのさまざまなサービスやキャンペーンなどを探りました。

 全国のスターバックスでは8月23日からドーナツやケーキ、サンドイッチなどといった“日持ちのしない商品”について、閉店3時間前をめどに20%引きで販売することになりました。テークアウトでも利用可能です。どの商品が安くなるのかは店舗の販売状況によって変わりますが、飲食店ではまだ珍しい取り組みです。

 こうした取り組みの背景にはスターバックスの食品廃棄物の15%がケーキなどの「期限切れ」の商品だったという事情があります。スターバックスは2030年までに店舗などから出る廃棄物の半減を目指していて、今回の値引き販売はそのための第一歩です。

 日本国内で2018年度、まだ食べられるのに捨てられてしまった食品の量は600万トンにも上ります。これは毎日国民1人当たり「茶碗1杯分」の食べ物を捨てていることに相当します。そして、持続可能性社会を目指すSDGsのターゲットとして、2030年までに世界全体の1人当たりの食料廃棄を半減させると設定されていて、食品ロスの解消は社会全体で達成していかなくてはいけない目標となっています。

<最大97%オフ 社会貢献もできる通販サイト>

 次に、食品ロス問題に「簡単に、しかもお得に」貢献できるサービスを紹介します。

 「KURADASHI(クラダシ)」は、協賛企業が800社を超える通販サイトで、会員登録は無料です。SDGsへの関心の高まりに連れて現在、去年の2.5倍のペースで会員が増えているということです。もともと食品ロス解消のために始まったサービスですが、今では食べ物だけでなく、化粧品や日用品も取り扱っていて、値段もかなりお得になっています。リニューアルでパッケージのデザインが変わってしまい店頭で販売できなくなったものや、新型コロナウイルスの影響で需要がなくなってしまったレストラン用の高級食材なども安く仕入れて販売しています。もちろん、お肉などの食料品は必ず消費期限内に届けられるということです。最大97%オフでお得に“廃棄から救出”することができる上、売り上げの一部はさまざまな社会問題に取り組む団体に寄付できます。利用者は例えば、貧困問題や環境問題など、興味のある分野に寄付先を選ぶことができます。「クラダシ」のサービスが始まってからこれまでに累計支援総額は6568万円に上り、食品ロスの削減も1万4000トンとなっています。

<電子タグでポイント付与も? ロス削減の未来は…>

 最後に、近い将来身近になるかもしれないサービスをご紹介します。最近、コンビニなどで“すぐに食べる場合は商品を手前から取ろう”という「てまえどり」のキャンペーンを見たことはないでしょうか。このキャンペーンに対しては「すぐ食べるなら問題ない」という声がある一方で、「同じ値段を払うなら、工場から来たばかりの新しいものを選びたい」という声や「家庭でのロスを防ぐために、少しでも賞味期限の長いものを買いたい」といった声があるのも事実です。同じ値段だと、こういった声も多くなりそうです。そこで今、開発が進んでいるのが「電子タグで商品を管理し、廃棄期限が近づくほど買い物で使えるポイントを付与する」、いわゆる「ダイナミックプライシング」です。実証実験がさまざまな業種で始まっていて、近い将来はこうしたITの力も借りて、より一層の食品ロスの削減を実現していくことになりそうです。

 家庭でできる工夫もたくさんありますから、食品ロス削減に社会全体で取り組んでいきたいものです。