千代田区丸の内のシンボル「丸ビル」が開業20周年を迎えました。これを機に数多くのリニューアルが控えている丸ビルですが、それと共に再開発の動きは丸の内エリア全体に広がっています。今後、丸の内の街はどのように変わっていくのでしょうか。開発を手がける三菱地所が描く“丸の内の未来”について、吉田淳一社長に話を聞きました。

 9月6日の開業20周年を記念して行われた式典には、レゴブロックで作られた120分の1サイズの丸ビルが登場するなど“20歳の誕生日”を盛り上げました。この日から丸ビル1階のカフェがリニューアルし、さらに今後はツタヤブックストアのオープンや地下食品売り場の改装なども控えていて、丸ビルの進化が続きます。

 こうした中、丸の内エリア全体も大きな転換点を迎えています。前日=5日に行われたトークイベントに参加していたのは、開発を手がける三菱地所の吉田淳一社長です。エリア全体の今後について吉田社長は「ここの場所に集まると楽しい、新しい刺激がある、新しい喜びがある。そんな刺激的な街で成長実感を感じていただけるよう、多種多様な人たちとコラボレーションしやすい街づくりを進めていきたい」と語ります。

 社長が話す「刺激的な街」とはどんな街なのでしょうか。三菱地所の本社を訪ねました。案内されたオフィス内に設置されているのは、縦4メートル・横5メートルという千代田区全体が緻密に再現された巨大なジオラマ模型です。現在、三菱地所が大規模開発を進める有楽町・丸の内・大手町の3つの街を総称した、いわゆる丸の内エリア全体が精密に作られています。

 案内してくれた三菱地所の谷沢直紀さんが担当するのは「大手町」です。そこでいま進んでいるのが、JR東京駅の北口、日本橋エリアに出たところで開発している「東京トーチ」プロジェクトです。中でもそのシンボルとして2027年に完成するのが、“日本一高いビル”=「トーチタワー」です。谷沢さんは「最終完成形は390メートルという非常に高い建物になる。多くの方に来ていただけるような屋外空間併設の展望台や、高層部分にはホテルや住宅の機能、低層には商業、音楽ライブなども楽しめるエンタメホールも入って、広場空間と合わせて長く滞在してもらえるような施設になる」と語ります。

 さまざまな機能を兼ね備えた東京トーチの完成は、この丸の内の街の進化のまさに象徴だといいます。谷沢さんは「東京駅は今まで固定されたオフィスの働く人が平日の日中に勤務に来るというのがメインだった。今後はビジネスマン層以外の方も東京駅を使う用事・予定があるとか、そんな変貌を遂げていってもらうための仕組みづくりや施策を取り組んでいる」と話しました。

 オフィス街から“誰もが訪れたい街”へ──。新たな丸の内の街が生まれようとしています。

 三菱地所の吉田淳一社長は「選ばれる街であり続けなければいけない。この街で働いたり買い物をしたり憩うと、人生が豊かになる。そういったことを世の中に提供していくことがわれわれの使命だと思っている」と話しています。