東京・立川市で戦前に造られていた飛行機を復元するプロジェクトが進んでいます。地域の歴史を次世代につなぐ飛行機の復活に、市民の期待も膨らんでいるようです。

 立川の格納庫で9月12日に公開されたのは、復元作業中の飛行機です。前方に備え付けられた大きなエンジンや、がっしりとした胴体の骨組みが披露されました。この飛行機は立川の歴史と深いゆかりがありました。

 第2次世界大戦前に当たるおよそ90年前、旧日本陸軍の飛行訓練のために立川市にあった飛行機の製造会社「立川飛行機」で造られていたのが「95(きゅうご)式1型練習機」でした。およそ12年間に2400機ほどが造られ、当時の最先端の技術が詰め込まれたこの飛行機はオレンジ色の機体から通称「赤とんぼ」と呼ばれました。

 この練習機を復元し飛行を目指すプロジェクトが、立川飛行機の跡地である格納庫で進められています。そして機体のおよそ8割が完成したことを受け、報道陣に公開されました。形は当時のままですが、機材は現代の最先端技術を活用しています。「赤とんぼ」を復元するオリンポスの四戸哲社長は「胴体は当時は使っていなかったジュラルミン。今の飛行機の9割以上がジュラルミンでできている」と話し、当時は鉄で造られていたというフレームをジュラルミンに変更することで軽さと強度を確保しています。今後は木でできた主翼の作成に取りかかり、完成まではあと2年ほどかかるということです。四戸社長は「立川の空を飛んでこそ『お帰りなさい』という感じがする。この立川の空を3機編隊で飛ばすプロジェクトを成功させたい」と話しています。

 立川飛行機があった立川駅の北側には戦前に陸軍の飛行場だった立川飛行場もあり、市内にはその歴史を今に伝える銅像や石碑が建てられています。かつて飛行機の街だったことを次の世代へと引き継ぐ今回のプロジェクトに、市民から「母親が立川飛行機に勤めていた。なじみがあるのでいいのでは」「市民としては立川の飛行機ということで世間に知られれば非常にいい」などと期待を寄せる声も聞かれました。