新型コロナウイルス感染症の影響などで、私たちの働き方が大きく変化しています。東京都によりますと、都内の企業ではコロナ前には24%だったテレワークの実施率が、2021年8月の緊急事態宣言中には65%に達しました。そして今、テレワークだけでなく、より生産性を上げようと働く環境の多様化がさらに進んでいるようです。

 企業向けのソフトウエアなどを提供するIT企業の「サイボウズ」の中央区日本橋オフィスでは、緑があふれるエリアやまるでカフェのようなオープンスペースが広がります。

 仕事のおよそ9割がオンラインで完結するというこの企業では、コロナ禍で出社率が1割ほどに減ったといいます。そんな中で8月に踏み切ったのがオフィスの一部改装でした。担当者は「コロナになり働き方が大きく変わったタイミングで、オフィスは変わらなくてもいいのかという課題感があった」(人事本部・佐藤友莉果さん)と改装に至った背景を説明します。

 リモートワークという選択肢に加え、オフィスの中にも目的に合わせたさまざまなエリアを設け、多様化する働き方を受け入れられるようにしたといいます。靴を脱いでくつろいだ様子で仕事をする女性は「家でずっと働いていると見える景色が同じなので、なんとなく気分がふさぎ込んでしまうことがある。オフィスに行くと外の雰囲気が分かって気分転換になる」と話します。さらに、海をイメージしたという部屋はさまざまな立場の従業員に配慮されていて、靴を脱いで上がるタイプの個室では子どもを連れての出社ができ、設置されたカーテンを下ろせば授乳もできます。また、天井にはイスラム教のメッカの方角が示されていて、礼拝もできるようになっています。

 男性社員は「気分や出社の用途に応じて個別のブースに入ったり、グリーンの環境で仕事をしたい時にはそちらに行ったり。ばったり出会って話が弾んで…みたいな、人とのつながりを実感できるところが気に入っている」と話すなど、お気に入りのエリアを従業員同士が情報交換することもあり、オフィスが新たなコミュニケーション創出のきっかけになっているといいます。サイボウズ・人事本部の佐藤さんは「働く場所の魅力的な選択肢の一つになっていくことを期待している」と話します。

<品川のホテル、ワーケーションを提案 ゴルフシミュレーターでリフレッシュも>

 自宅やオフィスを飛び出して、リゾート気分で仕事をする「ワーケーション」も徐々に浸透してきています。品川プリンスホテルでは仕事と遊びを組み合わせたワーケーションができるプランの提供を11月から開始しています。

 働きやすさと柔軟な発想を生み出す環境を意識した広々としたワークスペースや、図書館をイメージした落ち着いた雰囲気のソファスペースもあります。そして仕事をした後は、ホテルに備わる映画館や水族館などのレジャー施設で気軽に気分転換ができ、東京の街を一望できる爽快な眺めの客室でゆっくりと1日の疲れを癒やせます。品川プリンスホテルの土田文生さんは「働く中で議論が行き詰まったり結論が出ないこともあると思う。(ホテルは)リフレッシュできる環境を提供できるので、さまざまなライフスタイルの拠点の一つとして仕事や遊びに使ってほしい」と提案しています。