日本国内で人手不足が深刻化する中、新たな働き手を確保する動きが加速しています。ミシュラン1つ星を獲得するすし店「銀座おのでら」では外国人に向けたすし職人の研修が行われました。

 真剣なまなざしでメモを取りながらすし職人の指導に耳を傾けるのは、11月9日に来日したばかりというフィリピン人の4人です。母国・フィリピンで飲食業などの仕事をしていた経験を持ち、日本で働くためにこれまでおよそ1年間にわたって日本語教育を受けてきました。取材したこの日は、ゴールである日本での就業直前に受ける最後の研修を受けていました。

 世界5つの地域で事業展開する「銀座おのでら」の施設で行われるこの外国人研修の狙いは、日本のすし職人の技術を外国人に伝えることで、日本の外食産業を発展させる即戦力となる人材を育成することです。講師を務めるのは過去にテレビ番組で“握りのチャンピオン”に3度輝いたこともある川澄健さんで、日本を代表するすし職人が匠の技を惜しみなく伝えます。研修生たちはシャリの握り方から料理人としての心構えまで、飲食店で働くための幅広いノウハウを学びました。フィリピンからの研修生のジョナタン・タラリョンさん(23)は「私の夢は日本で生活すること。日本語も毎日勉強しています。フィリピンと日本は違いますから、新しい調理の仕方を学びたい」、レイナルド・フエンテスさん(29)は「新しいことを学ぶのにわくわくしています。日本のスキルを使って自分のビジネスプランを立てます」と話していました。

 研修を受けた4人は今後、日本ですし職人になることを目指し、都内の大手飲食店で働く予定だということです。銀座おのでらのすし職人・川澄健さんは「頑張りたいとか良いすし職人になりたいとか、うれしいですよね。海外の人が目標を持ってやっているというのはこちらも教えがいがある。彼らがどこを目指すかは今後、日本で修行してどんどん変わっていくと思うが、即戦力にもなれるのかなという気がする」と話しています。