大阪市立大学(大阪市大)は7月28日、ビオローゲンの化学構造にアミノ基(-NH2)を2つ導入した新たな人工補酵素を用い、二酸化炭素のギ酸への光還元反応の効率化に成功したと発表した。

同成果は、大阪市大人工光合成研究センターの天尾豊 教授、複合先端研究機構の池山秀作 特任助教の研究グループによるもの。詳細は英国の学術誌「Sustainable Energy & Fuels」に掲載された。

太陽光エネルギーを利用し二酸化炭素を有機分子に変換する人工光合成系を創製するための重要な要素技術の1つとして、有効な触媒の開発があげられる。

同研究グループでは、これまでに二酸化炭素をギ酸(燃料、化成品、エネルギー貯蔵媒体)に変換する反応を促進させる触媒であるギ酸脱水素酵素の活性を、ビオローゲンの化学構造にアミノ基(-NH2)を2つ導入した新たな分子を合成し、人工補酵素として用いることにより、天然の補酵素を用いた場合より560倍の活性向上に成功していた。

今回の研究では、この人工補酵素を色素分子(水溶性ポルフィリン)とギ酸脱水素酵素とで構成される二酸化炭素をギ酸に変換する光レドックス系に利用した結果、時間の可視光照射により従来用いられていた人工補酵素メチルビオローゲンよりもギ酸生成速度が2倍向上することを確認したという。

今回の発見について研究グループでは、今後の二酸化炭素を有機分子に変換する人工光合成系実現のための触媒設計・開発に寄与する成果と説明しており、現在、さらなるギ酸生成効率向上を目指し、反応条件などを進めているとしている。