富士キメラ総研は8月1日、デジタルサイネージの国内市場を調査し、その結果を報告書「デジタルサイネージ市場総調査 2017」としてまとめたことを発表した。

これは、同市場が低コスト化による需要の増加や東京五輪特需などが期待され、一方では8Kディスプレイやフレキシブルディスプレイなどの採用、AR・VRやIoT、AI技術の活用や連携が進んでいることから実施されたもの。

同報告書では、デジタルサイネージ市場を各種ディスプレイや、配信システムなどの販売・設置・施工ビジネス(システム販売・構築)、デジタルサイネージユーザー向けコンテンツの制作・配信ビジネス(コンテンツ制作・配信サービス)、デジタルサイネージを利用した広告ビジネス(デジタルサイネージ広告)といった三つのビジネスに分類し、その市場の規模や推移、システムニーズやビジネストレンドなどを捉えたほか、今後の市場を予測した。

2016年の国内デジタルサイネージ市場は、前年比10.6%増の1341億円となった。ディスプレイや配信システムの低価格化の進行とともに、幅広い分野・用途で需要が増加しているためと考えられる。

また、潜在需要の大きい店舗・企業における新設需要に加え、交通機関や公共施設、宿泊施設などにおける2020年の東京五輪を見据えた新設・追加・更新需要が活発化していることも要因の一つ。

2020年の東京五輪終了後は、システム販売・構築については需要の減少が懸念されるものの、導入後のビジネスであるコンテンツ制作・配信サービスやデジタルサイネージ広告についてはユーザー数やデジタル媒体数が増えていることから引き続き市場拡大が期待され、2025年には市場は2016年比2.8倍の3708億円になると予測される。

なお、システム販売・構築は、サイネージ向けディスプレイ(配信対応型・配信非対応型)、配信システム、その他ディスプレイに分類し調査。市場は、2016年に前年比8.8%増の653億円となった。大手チェーンから中小チェーンへデジタルサイネージ需要が広がったことで配信システム(配信対応型サイネージ向けディスプレイ含む)が前年比12.9%増となり、市場拡大をけん引した。

一方のコンテンツ制作・配信サービスは、コンテンツ制作・配信・運営・管理に分類。市場は2016年に前年比9.0%増の242億円となった。配信システム稼働数・配信業務委託数の増加に伴い、市場は拡大していると見れる。

最後に、デジタルサイネージ広告は、ビルボード(屋外ビジョン)、交通広告、インストアメディアほかに分類。市場は、2016年に前年比14.4%増の446億円となった。鉄道車両の新型車両への切り替えや駅リニューアルに伴い車両や駅構内、コンコースのデジタル媒体が増加していることから交通広告が堅調に伸びており市場をけん引している。

アナログ媒体を含めた交通広告全体市場と屋外広告全体市場は、合算で5000億円強となっている。これに対し、デジタルサイネージ広告市場はまだ小規模。アナログ媒体からの置き換えも期待されることから今後も市場は順調に拡大すると見られる。