シスコシステムズは8月3日、米Cisco Systemsが6月8日に発表した「Cisco Visual Networking Index (VNI) Complete Forecast(2016年〜2021年)」の内容を改めて説明するプレスラウンドテーブルを開催。とくに日本市場を中心に説明が行われた。

「Cisco VNI」は、独立系アナリストの予測と実際のネットワーク利用データの調査結果をもとに、世界のIPトラフィックとサービス利用について同社が独自の予測を行ったもの。同調査は、これまで10年以上行っており、コンシューマおよびビジネスのデータトラフィック推移とその主な要因に重点を置いているという。

米Cisco Systems バイスプレジデント 戦略、テクノロジーおよびイノベーション担当 タグ・ウェブスター氏は、同調査と実際の成長との誤差は10%以内だと、予測の正確性をアピール。

同調査では、世界のIPトラフィックは2021年には2016年の3倍となる月間278エクサバイトになるとしている。これは年間にすると3.3ゼタバイトで、この間の平均成長率は24%となる。3.3ゼタバイトは、これまで制作されたすべての映画がIPネットワークに毎分流れる場合に相当するという。

一方、日本のIPトラフィックも同様に、2021年には2016年の3倍以上となる月間14エクサバイト(EB)になると予測。この間の平均26成長率で、世界に比べ2%伸びが上回っている。

タグ・ウェブスター氏は、これらIPトラフィックの増加の要因としては、インターネットユーザーの増加、デバイス数と接続数の増加、ブローバンド速度の向上、ビデオ視聴の増加という4つがあると説明した。

IPトラフィックの増加において特徴的なのはモバイルデータの増加で、日本の場合、2021年には、2016年の4倍となる月間2.2EBになるという。この間の平均成長率は33%で、モバイルのIPトラフィックは日本がトップだという。

日本と米国のIPトラフィックを比較した場合では、固定ブロードバンド/モバイルブロードバンドのいずれも平均速度は日本のほうが高いが、一人あたりの平均トラフィックは米国が日本の2倍多い。これは、日本では全体トラフィックに対するスマートフォンの割合が高いのに対し、米国はTVの割合が高いためだという。

モバイルトラフィックの中で今後大きな増加が見込まれるのは、IoTなどのM2M通信で、4GとLPWA(Low Power Wide Area)通信が牽引するという。

とくに日本においてはLPWAの成長が著しく、2021年におけるM2Mのおいて、世界ではLPWAの割合はは4G(46%)に次ぐ2位(31%)と予測されているが、日本の場合はLPWAが4Gを上回りトップの49%と予測されている。

タグ・ウェブスター氏は、日本では、2021年までにM2Mモジュールがすべてのネットワークデバイス接続の73%、データトラフィック全体の6.9%を占めると指摘。IoTの大きな伸長が見込まれるとした。そして。日本のおけるIoTの有力領域としては、ホーム、ヘルスケア、自動車領域の成長が期待できるという

また、日本は5Gの成長が世界に比べ早く、2021年においてモバイルトラフィックに占める5Gの割合は、世界が1.5%に留まるに対して、日本は3倍となる5%になると予測している。

タグ・ウェブスター氏は、5Gは次世代モビリティだけでなく、新たなビジネスチャンスになるとした。