富士通日本国内で16のデータセンターを運営しているが、今回、それらのデータセンターを運用し、コンサルティング、システム設計・構築、ITマネジメント、ストレージサービスなどのアウトソーシングサービスを提供している富士通エフ・アイ・ピーの協力により、「横浜データセンター」を取材する機会を得たのでレポートする。

横浜市にある「横浜データセンター」は、2010年12月から運用を開始したティア4レベルのデータセンターで、明石データセンターや館林データセンターなど、富士通の国内に7つある基幹データセンターの1つ。延床面積は約26,000?で、SEが作業を行ったり、マシンルームの監視を行うオフィス棟と、実際にサーバ等のITに機器が置かれるマシン棟に分かれている。

マシン棟はA棟と、2015年に増設されたB棟があり、両棟あわせて4100ラックが収容可能だ。この数は、富士通グループが国内に持つデータセンターの中で3番目の大きさになるという。

オフィス棟は、会議室やリモートでインストールできる作業部屋などもあり、比較的広めに作られている。

この理由について、富士通 アウトソーシング事業本部 シニアディレクター 駒井勝久氏は、「富士通エフ・アイ・ピーのビジネスの中心がIT運用なため、SEが常駐しています。お客様の要望に対応できるSEをすぐ近くに配置して、運用性を高めていくことがエフ・アイ・ピーのビジネスの考え方です」と説明した。

横浜データセンターには、Safety(安全対策)、Green(環境対策)、Automation(自動化・高品質運用)の3つ領域で特徴があるという。

安全対策としては、入退出管理としてセンター内の要所にセキュリティゲートを設置。空港の保安所で行うような金属探知も行う。また、認証はIDカードと手のひら静脈認証をあわせて利用するしくみを採用している。

マシンルームへの入室に際しては、共連れ防止システムもある。最大3人までしか入室できないマシンルーム前室では、頭上のカメラで入室した人数を把握。全員のIDカード/手のひら静脈認証が完了しないと、マシンルームへの扉が開かないしくみになっている。

また、マシン室のサーバラックの開閉にも電子錠を導入。IDカード/手のひら静脈認証による「サーバラック開閉管理システム」を採用し、作業者が施錠をし忘れても自動でロックされる仕組みになっている。また、マシンルーム内では超音波タグにより入室者の位置情報を把握。関係のないエリアに一定時間侵入すると警告を出すしくみになっている。

そのほか、センター入り口では、新型インフルエンザ対策としてサーモグラフィーによる発熱チェックを実施。体温が37度を超える場合は入室できないという。また、持ち込むPCについては、Windows Updateが完了しているかなどのセキュリティチェックを行う検疫システムが導入されている。

「横浜データセンター」の建物自体は免振構造で、揺れを和らげる積層ゴム支承と、揺れを抑えるすべり支承を組み合わせて利用。これにより、東日本大震災の際の揺れは、最大5cm程度に抑えられたという。

なお、停電時のための自家発電設備は予備機1台を持つ(N+1)構成で、72時間の連続運転が可能な燃料を確保している。

環境対策としては、建物外壁に太陽光パネルを設置。照明用電力として活用しているほか、地下に雨水を貯めてトイレなどに利用している。また、マシンルームの排熱をオフィス棟の暖房に採用する取り組みも行っている。

マシンルームの冷却については、10月〜4月の時期は外気による冷却であるフリークーリングを利用。その他の季節は、夜中はフリークーリング、昼間は空冷チラーを利用した冷水作成を行っているという。

自動化・高品質運用面では、各種ツールを活用したITIL V3に準拠した統合運用マネジメント基盤による運用効率効率化で運用トラブルを削減。センター内にSEが常駐し、顧客システムの運用状況を24時間体制で監視・運用しているという。