今年で日本での事業開始から15周年を迎えるヴイエムウェア。このほど、記者説明会を開催し、同社の代表取締役社長を務めるジョン・ロバートソン氏が15周年の歩みを紹介した。ちなみに、米国での事業は20周年を迎える。

ロバートソン氏は「15年前、企業は物理サーバが好きで、仮想化には見向きもされなかった」と語り、15週年の歩みを4つのフェーズにわけて振り返った。

最初のフェーズは「サーバの仮想化」だ。サーバ仮想化に関連した製品として「VMware vSphere」「VMware ESX」を提供している。ロバートソン氏は「IBM、デル、HP、日本では日立、NEC、富士通といったサーバベンダーに仮想化を理解してもらって、手を組むことでビジネスの基礎を築いてきた」と語った。

第2フェーズは「エンドユーザーコンピューティング」だ。ロバートソン氏は「ユーザーのBYOD (Bring your own device)に対するニーズが高まったことで、われわれの製品も売れるようになってきた」と説明した。

デスクトップ仮想化製品として「VMware Horizon」を提供してきたが、最近はエンドユーザーコンピューティング関連の製品として、デジタルワークスペース「VMware Workspace ONE」の提供に注力している。同製品は、各種デバイスから業務で利用するアプリケーションを安全に利用することを可能にする。

ロバートソン氏は、Workspace ONEについて「企業におけるWindows 10、Mac、VDI、iOS、Androidといったクライアント環境のサイロを解消する。時間、場所、デバイスをとらわれずに、安全にアプリケーションにアクセスすることを可能にするので、企業のワークライフバランスの確立に貢献する製品だと思う」と述べた。

第3フェーズは「ネットワークの仮想化」だ。製品としては「VMware NSX」を提供している。同製品はSoftware-Defined Networking(SDN)を実現するとともに、マイクロセグメンテーションによるネットワークセキュリティを提供する。

第4フェーズが現在となる。ロバートソン氏は「オンプレミスからクラウドへのマイグレーションが進む一方で、導入前に想定したよりもコストが高いことがわかっても、元に戻ることはできないといった問題が起きている」と語った。同社は、「VMware Cloud」によって、プライベートクラウドとパブリッククラウドの一貫性を保つ形でのインフラの構築を実現している。

vSphereベースのプライベート クラウドとの一貫性を確保しながら、Amazon Web Servicesのクラウドサービスを利用できる「VMware Cloud on AWS」は、2018年中に東京リージョンで提供が開始される予定だ。また、2019年第2四半期には大阪ローカルリージョンでも提供されることが発表されている。

ロバートソン氏は、次のステップとして「マルチクラウド」を挙げた。今年の年次ベント「VMworld 2018」でも、CEOを務めるパット・ゲルシンガー氏が基調講演で「次のステップは、マルチクラウドへの支援」と語っている。あわせて、マルチクラウド管理ソリューションを提供する米国のベンダーの買収も発表されている。

ロバートソン氏は「ある調査によると、1つの企業が8社のクラウドサービスを利用している結果が出ているが、今後もっと増えるだろう。複数のクラウドサービスを利用している環境では、管理ツールやセキュリティなどの課題が生じており、サイロをなくす必要がある。だから、われわれはAWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、IBM Cloudといったようにあらゆるクラウドに対応している。さらに、来月には大きな発表をする予定だ」と述べた。

今回、ロバートソン氏は説明しなかったが、同社の製品ロードマップには「エッジコンピューティング」も加わっている。企業が利用するあらゆるインフラをカバーしていこうというわけだ。次のステップに向けて行われる「大きな発表」の内容が気になるところだ。