アカマイ・テクノロジーズは5月16日、2019年事業戦略発表会を開催した。説明会では、今年3月に職務執行者社長に就任した山野修氏が国内における2018年ビジネス総括および2019年の戦略を紹介した。

山野氏は、2019年の事業戦略の柱として「エッジプラットフォームによる企業のデジタルトランスフォーメーションの推進」と「高品質でセキュアなユーザーエクスピリエンス(UX)の提供」を挙げた。この2点を、セキュリティ、メディア・デリバリ、Webパフォーマンスの3つの分野のソリューションによって実現していく。
○セキュリティ分野の動向

同社は、「Webセキュリティ」と「エンタープライズ・セキュリティ」に分けて、ソリューションを提供している。

Webセキュリティとしては3つのエリアにフォーカスする。まず、攻撃面の拡大やサプライチェーン攻撃の増加を踏まえ、クラウド型WAF(Web Application Firewall)によって、企業のグループ全体のネットワークの保護とAPI保護の強化を目指す。

次に、「リスト型攻撃」「チケット買い占め」「Fintechボット」といったbotがビジネスに与えるリスクを踏まえ、Bot Managerの検知や管理に関する機能を強化する。

最後に、企業のマーケティングや運用におけるユーザー情報の統合管理を実現するため、分散クラウド型のカスタマー・アイデンティティ・アクセス管理(CIAM)「Akamai Identity Cloud」を提供する。「Akamai Identity Cloud」は、認証処理が急増した場合でも同社のエッジ上で分散処理を行う。

企業を保護するためのエンタープライズ・セキュリティにおいては、ゼロトラストという概念に基づくセキュリティ対策を推進する。これまで、ネットワークの外からの攻撃をブロックするため、内部のネットワークとの境目にセキュリティ対策を講じる「境界型セキュリティ」が広く利用されてきた。しかし昨今、クラウドの利用や働き方改革の推進により、ユーザー、デバイス、アプリケーション、データが境界の外に移動するにようになり、境界型セキュリティが崩壊しつつある。

そこで、同社は、ユーザーやデバイスを場所で信用しないというゼロトラストに基づくセキュリティ対策の有効性を提言する。具体的には、「Identity Aware Application Proxy」と「Simple, Secure Internet Gateway」によって、インバウンドとアウトバウンドの保護をエッジで実現する。

「Identity Aware Application Proxy」はシングルサインオンや多要素認証を提供するID認識が他のプロキシで、入口対策としての役割を担う。「Simple, Secure Internet Gateway」はセキュアインターネットゲートウェイで、出口対策として、コンテンツフィルタリングやマルウェアに感染した端末からのC2通信の遮断を提供する。
○メディア・デリバリ分野の動向

メディア・デリバリ分野においては、大規模な配信への対応、パブリッククラウドのコスト削減、コンテンツの保護に取り組む。具体的には、「Cloud Wrapper」と「Direct Connect」によって通信費用削減と信頼性の向上を実現し、「Adaptive Media Delivery」によってセキュリティを強化する。

「Cloud Wrapper」を活用した新たなVOD配信モデルでは、ユーザー専有のキャッシュ領域を提供してパフォーマンスとスケーラビリティを担保するほか、同社とパブリッククラウドを専用回線で結ぶことでネットワークコストを削減する。また、顧客のデータセンターとアカマイの通信を専用線で接続する「Direct Connect」も提供する。

○Webパフォーマンス分野の動向

Webパフォーマンス分野においては、動画の利用増加に伴うデータ量増加とパフォーマンス/UXの低下、急増するAPIトラフィックによるパフォーマンス低下と管理の煩雑化の解消に取り組む。

具体的には、「Akamai Image Manager」によって、デジタル戦略において重要度が高まる一方の動画コンテンツに対し、デバイスに応じたビデオのサイズと容量の最適化を提供する。同社は品質を維持しながら、圧縮可能なアルゴリズムを持っている。

また、「Akamai API Gateway」「API Protection」によって、クラウド全体での最適化を図り、デジタルタッチポイントに近いエッジで共通機能を提供する。

さらに、IoTシステムのスケールに関する課題に対しても解決策を提供する。「Akamai OTA Updates」ではIoTデバイスへのセキュアなソフトウェアの配信を行い、「Akamai IoT Edge Connect」はIoTデバイスデバイスの大量のデータを収集する。