Dell Technologiesは10月23日、都内のホテルでプライベートイベント「Dell Technologies Forum 2019 - Tokyo」を開催した。テーマは、「REAL TRANSFORMATION(真のデジタル変革)」だ。

基調講演では、当初、案内されていなかったDell Technologies Chairman & CEO Michael Dell(マイケル・デル)氏が登壇。デジタルトランスフォーメーション(DX)におけるデータの重要性と TechnologiesグループでDXをサポートしていく姿勢を強調した。

オープニングでは、8月からデルの社長も兼任することになった、デルおよびEMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏が、「今回のテーマであるREAL TRANSFORMATIONにあるように、Dell Technologiesは変革の実現を本格的に、実践的にお手伝いしていく。それによって第4次産業革命を後押ししていきたい。テクノロジーによって人類の進化を牽引していくのが、Dell Technologyの目的だ。最近はテクノロジー戦略が企業戦略そのものになっており、AIは当たり前になり、AR/VRが人と人とのコラボレーションを進化させ、IoTや5Gなどの先端技術が企業の成長、働き方を改革していくという大変エキサイティングな時代が到来する。このフォーラムでは、2030年に向けて、われわれが社会の発展にどう貢献できるかをお話していきたい」と挨拶した。

○Michael Dell氏はデータの重要性を改めて強調

そして、基調講演のトップで登場したMichael Dell氏は、「Dell Technologiesは、1987年に日本でビジネスを開始したが、現在では7拠点となり、社員は3,000名を超えている。そして、お客様が成功するように、日本の将来にコミットしている。われわれのビジネスはシェアも拡大し、成長している。重要なのは、Dell Technologiesのファミリー企業全体で成長していることだ。それによって、統合的なイノベーションをインフラ全体で起こしている」と、Dell Technologiesグループが連携してソリューションを提供していくという同グループの姿勢を説明。

そして、「エッジコンピュータはどこにでもあり、2007年の米国のモバイルデータは1年間で86PBだったが、現在ではその容量は18時間で生成され、10年後には10分で生成される。大きなデータの波が、人類進化の大きな力になる。データで大きな問題を解決し、大きなチャンスにつなげていくことが重要だ。それには、シンプルでオープンなプラットフォームが必要だ。われわれは、クラウドからエッジまで、統合されたインフラを作っている。8月のVMworldでは、KubernetesとvSphereに統合した「Project Pacific」を発表した。また、VMwareはpivotalの買収を進めている。これによって、われわれのソリューションが開発から運用までに拡大される。データにはクラウドからエッジまでカバーできる環境が必要だ。われわれのソリューションはVMware Cloud Foundation(VCF)を基盤とした、どの環境で使えるものだ。Dell EMCはハードからソフト、仮想マシンからコンテナまでを一貫性のある1つのプラットフォームとして提供する。そういう意味で、われわれは、独自のポジションを確保できている」と、データの重要性と、すべての環境をVMware Cloud Foundation(VCF)で統合管理していこうという「Dell Technologies Cloud」の戦略を改めて強調した。
○今後重要になる5つのテクノロジー

続いて登壇したDell EMC CTO John Roese(ジョン・ローズ)氏は、今後のデータ時代において重要となるテクノロジーと、それに向けたDell Technologiesの戦略について説明した。

同氏が今後重要になるテクノロジーとして挙げたのは、人工知能、ハイブリッドクラウド/マルチクラウド、エッジ、Software-Defined、ワークフォースモダナイゼーションの5つ。

人工知能に関しては、「データを使うためにもっとも重要なのが人工知能だ。これが価値を導き出すエンジンだ」と語ったほか、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドに関しては、「1つのインフラで、データすべてを管理できる容量を備え、1つのインフラですべてのデータ作業を行える環境はまだない。しかし、最近はハイブリッドクラウド/マルチクラウドというトポロジーが登場し、データのエンジンは自分のところだけでなく、借りることもできるようになった。こういったインフラすべてをコンビネーションで使う必要がある」と説明した。

エッジについては、「すべてのデータはデータセンター以外から作られ、そのため、ITを効率的に使うためには、データが作られるところ、利用するところ、すなわちエッジにもっていく必要がある。そのほうがデータの遅延もない」とし、Software-Definedについては、「インフラにはプログラマブルで、必要なタスクに順応させていくことができる柔軟性が必要だ」語った。

そして、ワークフォースモダナイゼーションついては、「UXも優れている必要がある」と述べた。
○4つのトランスフォーメーション

Dell Technologiesの戦略しては、IT、ワークフォース、セキュリティ、アプリケーションの4つのトランスフォーメーションでデータ時代のDXを支えていくという、従来からの姿勢を説明。それぞれのトランスフォーメーションのビジョンを以下のように説明した。

ITトランスフォーメーションでは、「現在の企業ITは、パブリッククラウド、モバイル、オンプレミス、ブランチオフィス、SaaS、工場/研究開発センターなど、物理的に異なった場所にあるインフラが接続されており、これまではこれらが1箇所に統合されていくとしていた。しかし、IoT、自動運転、スマートファクトリー、スマートシティなどを考えると、データを1箇所に統合していくのは意味がない。今後は分散化したITモデルなっていく」と語り、分散化したITには、最新のテクノロジー、スケールアップ/スケールアウトを両方を兼ね備えた多次元の拡張性、Software-Definedアーキテキチャー、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドへの対応、セキュリティとデータ保護機能、AI/マシンラーニング(賢さ)を備えたインフラが必要だとした。

また、「クラウドを統合するためには、世界のクラウドに(Dell Technologyの製品が)存在していないとだめだと思った。そして、それらを全部1つにして、VMwareを中心とした運用ハブでまとめようとしている。必要なのは、エンドツーエンドのアプリケーションのデリバリーだ。仮想環境ではすでにVMotionで実現しているが、『Project Pacific』では、同じことをKubernetesでもやろうとしている。Dell Technologyはあらゆるマルチクラウドをシステムとして利用できるようにしていく。われわれにはその自信がある。なぜなら、世界でもっとも大きなクラウドエコシステムを持っているからだ」とDell Technologies Cloud戦略を語った。

ワークフォーストランスフォーメーションについては、「PCを1つ1つ考えていくのではなく、すべてのデバイスがエコシステムの一部として見えるようにする必要がある。そのために『Unified Workspace』「(デプロイ、セキュリティ、管理、サポートの4つの機能をクラウドサービスとして提供するもの)を出した。『Unified Workspace』は管理を自動化し、ユーザー体験をクラウドのように提供しようというものだ。スイッチを入れたら、セットアップ済み、セキュリティも担保された状態ですぐに使える。今はできないが、それを実現していく。セットアップから廃棄まで、一切の手作業がなくなり、みなさんの代わりのデルが行うとすれば、すばらしいことだ。それがUnified Workspaceだ」と述べた。

セキュリティトランスフォーメーションでは、「現在、多くベンダーがさまざまな製品を提供しているが、それらは縦割り社会を作ろうとしている。製品のそれぞれが良いとか悪いとかではなく、セキュリティはクラウド体験の一部にならなければならない。ソフトウェア定義型のセキュリティ機能として、マルチクラウドオーケストレーションに中に入ってくるべきだ。クラウドのオーケストレーションは、サーバやストレージ、ネットワークなどを割り当てるだけでなく、セキュリティも自動的に割り当て、クラウドサービスとして紐づいている必要がある。ユーザーがクラウドの契約を止めれば、それらも全部なくなるという考え方だ」と説明。

アプリケーショントランスフォーメーションについて、「今後アプリは多様化してくる。その準備のために、新しいアプリを開発するために新しい技術を身に付ける必要があり、アプリをマルチクラウド上で適切な場所、適切な時期に稼動できるようにすることだ。そのためは、IT戦略をマルチクラウドベースで作成し、システムとしてまとめて動かせる仕組みを作ることだ。これがDell Technologiesのビジョンだ」と語った。