●撃を演じてきた4年間よりも、ずっと深い1年
東映特撮が誇る2大「警察ヒーロー」が夢の共演を果たしたVシネマ『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』のDVDおよびBlu-rayが、7月19日より販売開始されている。これを記念し、7月22日には東京・神保町の書泉グランデにおいて、宇宙刑事ギャバンtype-G/十文字撃役・石垣佑磨と初代宇宙刑事ギャバン/一条寺烈役・大葉健二のトーク&握手・3ショット撮影会が催された。

『スペース・スクワッド』とは、かつて地球および宇宙全体の平和と自由を守って戦った伝説のヒーローたちが作品世界の垣根を越えてドリームチームを編成し、銀河宇宙を暗黒に染め上げようとする巨大な犯罪集団の野望を打ち砕くため命をかけて戦うという、東映ヒーローVシネマの新シリーズである。

今回は、1982年に放送されたテレビシリーズ『宇宙刑事ギャバン』の世界観を引き継いだ映画『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(2012年)でデビューを果たした二代目宇宙刑事ギャバン(type-G)と、2004年にテレビで活躍した後、約10年ぶりにVシネマで再集結を実現させた『特捜戦隊デカレンジャー』が共に力を合わせ、銀河宇宙最大規模の犯罪組織といわれる邪教団「幻魔空界」の陰謀に立ち向かう。

イベント開催前に行われたマスコミ取材では、『スペース・スクワッド』の「座長」として宣伝活動を積極的に行った石垣、そして若きヒーローを見守ったレジェンド・大葉の2人に、記者からの質問がぶつけられた。

本作は、映像ソフトに先がけて期間限定(6月17〜30日)ながら劇場公開が行われ、すでに多くのファンがスペース・スクワッドの勇姿を目の当たりにして、高い評価を与えている。石垣は「きのうトレーニングジムに行ったとき、ある男性から『映画、観ましたよ!』と声をかけていただきました。その方が言うには『撃のセリフ"俺は怒ったぞーーっ!"が好きです』と(笑)。あれは『ドラゴンボール』からひらめいたセリフなんですと話したら、『やっぱり!』って。わかる人にはわかるんですね」と、自身のアイデアで加えたお気に入りのセリフが好評だったことに満足そうな笑顔を見せた。

大葉もまた「撮影仲間や飲み仲間から『観ました! すごくいい作品でした』と言われることが多くてね。僕もうれしかったですけれど、石垣くんのほうがもっとうれしいでしょう。現場でも、とてもいい顔をしていましたよ!」と、映画の中で宇宙刑事の"魂"を伝授した関係そのままに、石垣の体当たりの演技、そしてアクションを称えた。

石垣が演じた十文字撃という役柄は、『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』に続いて『スーパーヒーロー大戦Z』(2013年)、そして『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』(2014年)『宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION』(2014年)と、5年間にわたって演じ上げてきたもの。これを受けて石垣は「今までギャバンtype-G/撃を演じてきた中で、一番しっくりきた作品」と、本作『スペース・スクワッド』での手ごたえを噛みしめるように語った。

作品の完成(2016年)から公開・ソフト発売まで約1年もの期間があいたことから、「何か心境の変化などがあったか?」という質問について石垣は、「発表までかなりの時間があるという中で、宣伝隊長の斎藤(貴晴)さん(東映ビデオ)と相談して、いろんな宣伝活動を数々やってきたんですね。『宇宙戦隊キュウレンジャー』にギャバンとデカレンジャーがゲスト出演したのもその一環なんですけれど。各種メディアの取材や、舞台あいさつ、そしてテレビ出演などをこなしていくことが、僕にとっては毎回いろいろな"冒険"をしているような感覚でした。今までにもお世話になっている方や、今回初めてお会いした方などと触れ合って、『特撮』ってこういう世界なんだな、と強く感じるようになりました。撃を演じてきたこれまでの4年間よりも、ずっと深い1年間だったと思います」と、良質の作品をより多くの人たちに知ってもらい、楽しんでもらいたいという思いが月日を重ねるごとに大きくなっていったことを明かした。

大葉は、「僕の撮影は1日で終わったんだけど、石垣くんのほうは長い撮影で大変だったと思います」と石垣をねぎらいつつ、「完成したDVDをいただいたんですが、これ、もうすぐにでも劇場にかけられるんじゃないの、って思うくらい完成度が高かった。でも公開は1年後ですよ、って言われて、公開日が待ち遠しかった」と語った後、「今年、ようやく公開されて、僕と石垣くんと春田(純一)先輩とで舞台あいさつをしたとき、やっとファンの方々に観てもらえて、面白かったと評価を受けてホッとしました」と、1年越しに作品をファンに届けることができて安心した様子を見せた。

さらに続けて大葉は、「次にも向かっていかなくちゃいけないよね!」と石垣が主演を務める『スペース・スクワッド』のシリーズ化に向けて檄を飛ばした大葉は、タイトルにちなんで「(スペース)スクワット〜♪」と歌いだし、スクワッドならぬスクワット運動を元気いっぱいにはじめて周囲を笑わせた。

今後、DVD&Blu−rayの発売によって、劇場公開の際に観に行くことが叶わなかったファンたちもいよいよ視聴が可能となる『スペース・スクワッド』。今一度、本作の見どころを尋ねられた石垣は、「今回、『レーザーブレードオリジン版』という、すごく豪華な特典がついているんですけれど、やはりこれは、作品あっての武器ですからね。作品をご覧になって『面白い!』と思ってくださってから、ドラマの中で効果的に使われているこのレーザーブレードを部屋に飾ったり、光らせたりしてくれればうれしいです」と、バンダイ「TAMASHII Lab」特製となるレーザーブレードオリジンが特典についた初回限定版Blu−rayを大アピール。

さらに「Blu−rayにはメイキング映像が特典で入っていますが、キャラクターというよりは役者主体のメイキングで、変身後よりも僕たちの素面のほうが多く入っているのが面白いと思います。今の心境とは違う、撮影当時に思っていた僕の気持ちが映像に表れていたり、僕とデカレンジャーの関係だったり……。渡辺宙明先生が新たに作ってくださった主題歌『スペース・スクワッド』の録音風景とかも入っていますし、もちろん大葉さんの出番にも密着しています。また、オーディオコメンタリーもおすすめです。男ばっかりでアホなことばかりしゃべっていますけど(笑)、映画をご覧になったら次にコメンタリー付きで観ていただき、その後でメイキング映像を観ていただければ、面白い流れになるんじゃないかと思います」と、坂本浩一監督、石垣、そしてさいねい龍二、林剛史、伊藤陽祐、吉田友一が参加したオーディオコメンタリーの楽しさも強調した。

大葉もまた「最初は真っ白な状態で観て、次はギャバンだけを追う、その次はデカレンジャーを追うとか、何度も繰り返し、視点を変えて観るのも楽しいと思います。僕も自分の子どもたちと一緒に観たり、1人で観たりしています!」と、『スペース・スクワッド』が映像ソフトならではの繰り返し視聴に最適な作品だということを力説した。

トークイベントはめでたく予定数を完売し、会場のキャパぎりぎりまでファンが詰めかけた。劇場公開のときから今回の映像ソフト発売まで、多くのファンからの熱意に支えられていることを実感した石垣は、「今日、ここでイベントができたことを喜びたいです。ファンのみなさん、ありがとうございました」と感謝を述べた後、「この1年を振り返っての感想は、宣伝隊長の斎藤さんと過ごした濃密な時間ですね。僕のブログを観てくださるとわかると思いますが、1年でいちばん一緒にいたんじゃないかってくらい、密に宣伝や取材活動をやってきました」と、精力的に宣伝活動をこなしてきたこれまでを感慨深く振り返った。

●"師匠と弟子"の関係をもっと深く描くことができたら

そもそも、石垣の『スペース・スクワッド』にかける情熱は並大抵のものではなく、脚本家・荒川稔久氏による準備稿シナリオが上がってきた段階から東映ビデオへと赴き、プロデューサーを交えた打ち合わせにも参加。より面白いドラマ、より深みのあるキャラクターを作り上げようと、熱心にアイデア出しを行ったという。特に、初代ギャバンである一条寺烈の出演、そして撃と烈との共演は石垣が本作に参加するにあたっての絶対条件とするほど、重要な要素だったそうだ。

石垣の熱烈な要望によって出演することになった大葉は、「台本を読んで、『えっ? 俺にもアクションシーンがあるのか』と驚いた」といって会場を笑いに包んだ後、「撮影に入る一週間前から柔軟をやったんですが、すっかり身体が固くなりましたね〜。でも、もともとスーツアクター出身ですし、アクションが飯を食うより好きなんですよ。今回の現場は1日だけでしたが、すごく充実していて、できあがった作品はすばらしいと思いました」と笑顔を見せた。実際、一条寺烈がマッドギャランの手下を相手に繰り広げる激しいまでのアクションシーンは、伝説のアクション俳優・大葉健二はいまだ健在なり!といえるほど強烈な存在感を発揮していた。

大葉はまた、アクション監督を兼任していた坂本監督の演出と坂本監督率いるアクションチームとの立ち回りについて「カラミ(兵隊)が上手ければ、シン(主役)は自然とカッコよく見える。シンがどういう動きをするか、カラミの人たちは動きながらそれを読み取っていくんです。たとえばリハーサルのとき、『蹴りにくいな』と思っていたら、次のテストでは蹴りやすい位置に入ってくれたりね。僕たちが現役でやっていたころと同じくらい、ハイレベルなテクニックを持っていました」と絶賛。これを聞いた石垣は「その言葉、坂本監督が聞いたらぜったい喜びますよ」とうれしそうに答えた。

坂本監督のアクション演出について石垣は、「ストーリーの流れに沿って、どういう立ち位置でアクションをつけるかにこだわっていて、演じるほうとしてはすごくやりやすい」と、監督のイメージする動きと自身の考えが共通していることの利点を挙げていた。

『スペース・スクワッド』は、これからもさまざまなヒーローとのコラボが実現する可能性に満ちた新シリーズとして、大いに期待が持たれている。キャプテン十文字撃の再登場はもちろんだが、ふたたび一条寺烈が宇宙をまたにかけて飛び回る活躍編も観られるかもしれない。石垣と大葉に、もしも次回作で共演することがあればこんなことをやってみたい、という抱負があるかどうか、熱い質問が飛んだ。

石垣は「『ギャバン』のテレビシリーズで、烈さんがコム長官から剣の特訓を受けるエピソード(第14話/愛と悲しみの別れ とどめの一撃!!)があるでしょう。僕にとって「宇宙刑事」シリーズといえば「富士山のふもと」というイメージがあるんですが、撃はまだ一度もその場所に行ったことがないんです。ぜひ次があったら、富士のふもとで烈さんから撃に剣の腕を鍛えてもらうというシーンをやってみたいんです。"師匠と弟子"の関係をもっと深く描くことができたらいいな、って思っています。烈さんは生涯現役! という部分も強調してほしいですし、2人で熱い芝居がやりたい」と、さすが『ギャバン』のテレビシリーズを全話見直し、「宇宙刑事」のエッセンスを全身に叩き込んでいるだけあって、全国の宇宙刑事ファンを感激させるような希望を語ってくれた。

大葉は「僕はもともと剣や、刀、棒といった武器を使ったアクションが得意なんですよ。ヌンチャクなんて大得意です。ヌンチャクでブロックを割ったりとかね。ヌンチャクは2本持つよりも1本でやるのが難しい。持ちかえるのがたいへんですからね。ぜひまたどこかの作品でアクションをやるのなら、武器を持ってみたいですね。ギャバンの新武器として、レーザーヌンチャクとか使うのはどうでしょう(笑)」と、初代ギャバンの新アイテムのアイデアまで飛び出して、観客を熱く盛り上げた。

トークショーの締めくくりとしてマイクを持った石垣は「この映画は僕たちが自信を持って、精一杯作った映画ですので、ぜひお楽しみください。そして、『スペース・スクワッド』の2作目が作れるように、今の段階から坂本監督と一緒にああしたい、こうしたいとアイデアを出し、話し合っています。もし次回作をやれるなら今回よりも、もっと面白い作品になるようにしたいと思っています。ファンのみなさん、これからも応援よろしくお願いします!」と、無限に広がる銀河宇宙をかけめぐるギャバンtype-G/撃そのままの熱きテンションで、ファンたちに変わらぬ応援を呼びかけた。

『スペース・スクワッド』のDVDは7月19日よりセル・レンタル同時リリース中。前日譚にあたるヒロインアクション作品『ガールズ・イン・トラブル』のDVDは8月9日にセル・レンタル開始となる。『スペース・スクワッド』と『ガールズ・イン・トラブル』を合わせたコレクターズパックBlu−rayは7月19日より発売中。そして、劇中で印象的な使われかたをした小道具を忠実再現している、光と音のギミックが満載されたアイテム「レーザーブレードオリジン」を加えた初回生産限定「スペース・スクワッド ガールズ・イン・トラブル レーザーブレードオリジン版」は7月19日からDVD、Blu−rayの両バージョンが発売されている。

秋田英夫
主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌などで執筆。これまで『宇宙刑事大全』『宇宙刑事年代記』『メタルヒーロー最強戦士列伝』『ウルトラマン画報』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全』『鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー大百科』をはじめとする書籍・ムック・雑誌などに、関係者インタビューおよび作品研究記事を多数掲載