●外見上の特徴も込みですごくうれしい
仮面ライダー生誕50周年記念作品『仮面ライダーリバイス』が、テレビ朝日系全国ネットでただいま好評放送中である。毎年、斬新かつインパクト抜群のヒーローキャラクターを生み出してきた「仮面ライダー」シリーズ。本作では「悪魔と契約する仮面ライダー」として仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイス、2人の仮面ライダーが登場し、悪魔崇拝組織「デッドマンズ」に戦いを挑む。

悪魔バイス(声:木村昴)を体の中に宿し、リバイスドライバーにバイスタンプを押すことで仮面ライダーリバイに変身するのが主人公の五十嵐一輝(演:前田拳太郎)だ。一輝の弟・大二は政府直属の特務機関「フェニックス」の分隊長を務めており、フェニックスでリバイスドライバーとバイスタンプを用いた「ライダーシステム」を開発したのが、天才科学者・ジョージ・狩崎である。狩崎は仮面ライダーの大ファンで、特に「平成ライダー」が大好きという設定があり、歴代「仮面ライダー」の意匠と「最強生物」の遺伝子を組み合わせた「バイスタンプ」を生み出して、リバイとバイスに新たな力を与える役割を担っている。

今回のインタビューでは、ジョージ・狩崎を演じる濱尾ノリタカが登場。役柄と同じく大の仮面ライダーファンという濱尾は、狩崎という役に自身の思いをどのように込めているのだろうか。クールでスタイリッシュな外見から飛び出る、あまりにも熱すぎる仮面ライダー愛に満ちた言葉の数々を、ファンのみなさんにもしっかりと受け止めていただければ幸いである。

――『仮面ライダーリバイス』オンライン発表会見では、日常的感覚の強い五十嵐家の面々とは一味違うエキセントリックな科学者として、存在感を発揮されていました。濱尾さんがジョージ・狩崎を演じるにあたり、特に気をつけていることとは何でしょうか。

狩崎は自分の“素”とはだいぶ違ったキャラクターですが、視聴者の方に期待を膨らませていただけるよう、高めのテンションで会見に臨みました。『仮面ライダーリバイス』の世界観がみなさんにまだはっきりお伝えし切れていない中で、五十嵐ファミリーとは明らかに異質な狩崎が入ることによって、一気に「物語」感が出てくるような存在でありたいと思ったんです。できるだけクセを強く、テンション高めで、そういう方面から五十嵐ファミリーをサポートすることのできる人物像に努めました。

――濱尾さんは以前から仮面ライダーが大好きだとうかがっています。本作への出演についてはどんな思いを抱かれていますか。

狩崎は物語のキーマンとなるポジションにいますから、役が決まったときは非常にうれしかったです。今回の『仮面ライダーリバイス』では、主人公の一輝はわりとふつうの青年の設定で、拳(前田)はそのイメージにピッタリ。僕も拳と同じ年齢(21歳)ですが、実年齢より少し年上に見られることが多いんです。なので僕がこの作品世界に入るためには、このポジションしかないと思っています。

何しろ狩崎は「仮面ライダーが大好きな科学者」ですし、物語のいろんなことをいちばん知っている人物。メイクや衣装も前衛的で、外見上の特徴も込みですごくうれしいです。僕自身ファッションにこだわりがあって、アパレルショップでバイトをしていたり、ファッション誌でモデルの仕事を多くさせていただいていましたから。まさに僕にとってのハマリ役。自分以外には演じさせないし、演じられない役だと思っています。

――劇中のジョージ・狩崎も「仮面ライダー」好きという設定には驚かされました。『リバイス』の世界には仮面ライダーの存在が広く世間に知られているんですね。

そうなんです。一輝とバイスが仮面ライダーリバイ、仮面ライダーバイスに変身するためのリバイスドライバーやバイスタンプには、狩崎のセンスが入っている。仮面ライダーが好きな科学者だから、仮面ライダーの意匠を用いるという、好きが高じて……みたいな設定がたまらないんです。

――仮面ライダーへの変身システムを作り上げた人物は、過去の(平成)仮面ライダーシリーズにも何人か存在していますが、狩崎を演じるにあたり、そんなキャラクターたちを参考にされたことはありますか。

それは意識的にやらないようにしました。「仮面ライダー」シリーズで活躍していたキャラクターを参考にすると、どうしても似た部分が出てしまいますし、特定の役者さんを意識することになりますから。狩崎の役作りについては、他の映画などからインスピレーションを受けたりしています。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)のドク(演:クリストファー・ロイド)とか『アイアンマン』(2008年)のトニー・スターク(演:ロバート・ダウニー・Jr)とか、いろんな作品の超ハイテンションな性格のキャラクターが出ている映像を集め、「狩崎リファレンス」とでも称すべき資料を作った上で、動き方やテンションの上げ方の参考にしています。

ただ、役の説明を受けたとき『仮面ライダーV3』(1973年)の「ライダーマン=結城丈二(演:山口暁)」のイメージが浮かんだのは確かですね。僕の中でいちばん好きな仮面ライダーが『V3』ということもあって、ふと「この設定、結城丈二が入ってるな」と感じました。

――会見の席で『仮面ライダーV3』風見志郎の変身ポーズを披露されたのは、V3がお好きだからという理由があったのですね。

一輝に仮面ライダーリバイへの「変身ポーズ」をリクエストする狩崎、というくだりですね。「一輝くんにアレ(変身)をやってもらいましょう!」と言いながら、僕がV3の変身ポーズを先にやってみせるという(笑)。風見志郎(演:宮内洋)の変身は最初の構えが肝心なんです。あまり詳しくない人はバッと両腕を水平に構えるんですけど、違うんです。一回振りかぶってから上体を左に傾け気味に構えないと、宮内洋さんぽくなりません。そのあたりのこだわりをちゃんと出させていただきました。

●ファンにはたまらない撮影現場

――会見では『仮面ライダークウガ』(2000年)をはじめとする平成仮面ライダーシリーズへの思いを語られていましたが、昭和の仮面ライダーにも強い思い入れがあるのですか。

僕の父がものすごい仮面ライダーマニアなんです。DVDやBlu-rayはもちろんのこと「仮面ライダー1号/本郷猛役・藤岡弘、さんのサインが入った限定写真パネル」とか、特注の「ショッカー首領時計」なども持っていて、そういう家で生まれ育ったものですから(笑)。おかげで僕もそうとう仮面ライダー全般には詳しくなりましたが、父には敵いません。部屋で『仮面ライダークウガ』を観ていたら、たまたま風呂から上がった父が「今の声は〇〇だな。じゃあ『クウガ』観てるのか」なんて、ゲスト出演者の声だけ聞いて作品名を当てるんですよ(笑)。

――濱尾さんのお話をうかがっていると、本当に仮面ライダーが好きで、ヒーローの戦いのドラマを愛していることが強く響いてきますね。

狩崎のテンションの上がり方は、僕が仮面ライダーについて話をしているときの気持ちを、そのまま使っているところがあります。普段の僕はそれほどテンションが高くなくて、ひとりで音楽を聴いていたりするタイプなので、そこから“豹変”していく狩崎の役作りについてはギャップがあるのですが、仮面ライダーを観て興奮するとか、仮面ライダーが好きという思いを感情で表すことに関しては、いつもの自分のように出せばいいので(笑)。根っこのところではとても演じやすい役なのだと、しみじみ感じています。

――撮影に入ってみて、さすがは仮面ライダーの現場だなあと感心したことってありますか。

それはもう、平成&令和仮面ライダーシリーズを作り続けてきたベテランスタッフのみなさんと出会えたことに尽きますね。僕はテレビやDVDなどでずっと仮面ライダーを観てきたファンですけれど、僕以上にそれぞれの作品を愛し、仕事に誇りを持っている方たちが集まっているんです。

ふと『仮面ライダーV3』の話題になったら、どなたかが「宮内洋さんが実際にバイクに乗りながら変身ポーズをしたときの話」をしてくださったり、合成用のアタリに使う「白玉」という道具を手にされた方が「『宇宙刑事ギャバン』(1982年)のころは、ギャバンの“反射”ぐあいを確かめるために、グレーと銀ラメを混ぜた玉を使ってたんだよ」なんて、激レアの裏話が飛び出してくる。またあるとき僕が「名もない花を踏みつけられない男に……」と口ずさんだら、どなたかが「おっ『ギャバン』(主題歌)だね!」なんてすぐわかってくださって、幸せな現場というほかないですね(笑)。

『仮面ライダーセイバー』と『仮面ライダーリバイス』との引き継ぎとなるエピソードを撮られた石田秀範監督は、あの『クウガ』の監督でしたし、大好きな『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)も手がけられています。そして『リバイス』の劇場版や第1話を撮られた柴崎貴行監督は石田組の助監督出身で、数々の『仮面ライダー』で活躍されている方ですから、お2人にお会いしたときはこの上なく興奮しました。

特に石田監督には、現場で叱咤激励をいただきまして、狩崎が自分でイメージしていたものから5倍くらいに肉付けされ、キャラがものすごく膨れ上がりました。そのおかげでハイテンションな狩崎のベースを早い段階から作り上げることができ、以後の演技がやりやすくなったと思います。狩崎の「冷静」な面は柴崎監督に、「ハイテンション」な面は石田監督に作っていただいた印象です。こんな具合なので、「仮面ライダー」の撮影現場は、どこに行って、何を話しても幸せなところです!!

――仮面ライダー愛の強い濱尾さんから、ジョージ・狩崎的な見どころを教えてください。

変身シーンには仮面ライダーファンとしては注目しないわけにはいかないでしょう! 1人の体から2人のライダーが出て来るという意味で、変わったビジュアルの変身です。リバイとバイスの姿は僕(狩崎)が作ったフォームという設定ですので、テレビをご覧になりながら「このライダーをジョージ・狩崎が作ったのか」と思ってくださればうれしいです。一輝が変身した直後、シナリオでは「狩崎、狂喜乱舞している」と書かれていて、それにならって思いっきりリアクションをしてみましたから、個人的にはその部分にも注目してほしいです。これからも『仮面ライダーリバイス』の活躍を、ご堪能していただければと思います!