新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、旭化成がポリカーボネート樹脂(PC)原料の新製法「ジアルキルカーボネート法ジフェニルカーボネートプロセス」を同社水島製造所の実証プラントで検証した結果、その運転安定性と操作性を確認でき、連続運転1000時間以上を達成したこと、そして従来の製造プロセスに比べて、省エネ、CO2排出量削減、安全な原料(CO2)を用いた製造プロセスの実現に成功したことを発表した。

ポリカーボネート樹脂(PC)は自動車のヘッドライトカバーやパソコンの外装、CDやDVDなどに幅広く使われている。従来のPC製法では、毒性の高いホスゲンを用いて製造されており、安全性の課題だけでなく、エネルギー消費量についても課題が残されていた。

こうした背景のもと、旭化成はNEDOプロジェクトにおいて、PCの原料であるジフェニルカーボネート(DPC)の新製法として、ジアルキルカーボネート(DRC)を経由した製造プロセスである「ジアルキルカーボネート法ジフェニルカーボネートプロセス」(DRC法DPCプロセス)の実証プラントを2015年から同社水島製造所内に建設し、連続運転により新製法の検証を行った。

今回の実証運転の結果、CO2とアルコールからDRCを製造する工程(DRC工程)とDRCとフェノールからDPCを製造する工程(DPC工程)における触媒サイクルプロセスや触媒性能、反応装置の性能、未反応の原料のリサイクルシステム等について、連続運転による製造プロセスの成立性の検証を行い、連続運転時間は1000時間以上に達し、工業プロセスとしての運転安定性とその操作性を確認した。さらに、従来のPC製造プロセスに比べて、省エネ、CO2排出量削減プロセスを実現、毒性ガスであるホスゲンを使用せず、安全な原料(CO2)を用いた安全性の高いPC製造プロセスの実現が可能になった。

今後、旭化成は、新製法の経済性や省エネルギー効果等の検証を継続し、さらなるプロセスの最適化を進め、省エネルギー効果が高く、CO2を原料とする新製法の確立を目指すという。なお、同社はこれまで非ホスゲン法ポリカーボネート樹脂製造プロセスでの技術ライセンス事業を中国、韓国、台湾、ロシアサウジアラビアなど世界で展開しているが、今回の新製法の検証を行うことで国内外における技術ライセンス事業の競争力強化を図っていくとしている。