岡谷市は、2015年度版の「公共施設白書」を作成した。市内210の公共施設(一般会計に属する床面積100平方メートル以上の施設)を対象に、概要、利用状況、維持管理費などの実態をまとめた。白書の作成は13、14年度版に続いて3年目になるが、15年度版では新たな分析手法を取り入れ、より分かりやすくしたのが特徴。適切な施設運営につなげるとともに、人口減少を見据えた今後の公共施設のあり方を検討する基礎資料にする。

 新たな分析手法は、築年数など「建物品質」(ハード)と、利用率など「利用・運営状況」(ソフト)の2軸により分析する仕組み。「行政系施設」から「その他の施設」まで12に分類した上で、各施設の建物品質と利用・運営状況を偏差値で数値化。(1)利用・運営状況、建物品質がともに高い(2)利用・運営状況は高いが、建物品質は低い(3)利用・運営状況は低いが、建物品質は高い(4)利用・運営状況、建物品質がともに低い―の四つで評価する。

 市企画課によると、静岡市や釧路市など一部先進市で採用している手法といい、「各施設の課題を分かりやすくする」という。

 今回はこの手法になじまない学校などを除いた83施設について分析。例えば「行政系施設」の湊支所、川岸支所、長地支所、岡谷駅前出張所の4施設では築年数はいずれも30年以上で建物品質の偏差値は50前後。このうち、窓口の利用件数が少なく、1件当たりの運営費が高い湊支所は利用・運営状況の偏差値が低いため(4)に。川岸支所と長地支所は(2)、岡谷駅前出張所は(1)となった。

 同課は「(湊支所のように)評価が低くても市民サービスに必要な施設もあり、直ちに廃止ということにはならない」と説明。一方で、「人口減少が進む中で、今後の施設のあり方を検討していく必要がある」とし、将来的な統廃合も視野に取り組んでいく考えを示した。