諏訪湖漁業協同組合は22日朝、ワカサギの試験捕りを今季初めて行った。漁師3人が諏訪湖内の定点6カ所で投網を行い、合わせて4.5キロほどを捕獲した。体長は3センチ台から7.5センチを超える個体までいた。昨夏のワカサギ大量死から1年を迎え、資源回復の今後を占う意味でも今回の試験捕りの結果は重要。得られたデータは今後の諏訪湖のワカサギ資源の動向などを判断する材料になる。

 諏訪湖では昨年7月26日にワカサギの大量死が発生し、生き残った個体の確保と資源回復のため、昨季は漁の自粛や釣りの釣果規制などを余儀なくされた。今春の採卵事業は産卵期のワカサギの遡上がほとんど確認できず、全国の湖沼の漁協からの注文に対し、出荷を断念。逆に他湖沼から卵の提供を受けたり、買い付けたりして諏訪湖に放流し、資源回復に努めてきた。

 今回の試験捕りの結果は放流した卵からふ化したワカサギが順調に育っているかどうかを判断するための大事な資料となる。ワカサギが運び込まれた諏訪市渋崎の同漁協では、定点ごとに袋に入れて捕獲量を測ったり、袋から無作為に取り出した32匹の体長を測定したりしていた。

 試験捕りの結果や分析、印象、今後の見通しなどについて諏訪湖漁協は「現状ではコメントする段階にない」としている。一方で試験捕りに出た漁師の一人で同漁協専務理事の藤森重利さん(60)によると、湖内に酸素を供給する役割を果たすアオコがあまり見られず、ここ数日で湖水の透明度が高まっているという。

 アオコの正体とされる植物プランクトンは光合成によって湖水に酸素を供給する。昨夏のワカサギ大量死後、県が諏訪湖の水を調べたところ、植物プランクトンが大幅に減っていた。透明度の向上も確認された。

 県水産試験場諏訪支場によると、すでに湖底には水中に溶けた酸素の量が極端に不足する貧酸素水塊が発生し、徐々に広がっているという。酸素を含んだ河川の水の流入量は、空梅雨の影響で例年よりも少なく、諏訪湖の水位は低下傾向が続き、22日正午現在で例年よりも10センチ以上低い。

 漁師歴40年以上の藤森さんは「詳しいデータに基づいているわけではないが、(肌感覚では)諏訪湖が昨年のワカサギ大量死の状況に似てきた気がする。何もなければいいが」と心配そうに語った。