日本映画界の巨匠、小津安二郎監督(1903〜63年)ゆかりの茅野市で開く「蓼科・夏の小津会」は28日から3日間、監督が脚本執筆の場とした蓼科高原の無藝荘を拠点に開く。9月16〜24日の「第20回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」に先立つ企画で、小津作品に携わった人々の講座や懇親会、映画上映、監督が好んで歩いた散歩道の散策が行われる。

 小津監督と盟友の脚本家野田高梧さん(1893〜1968年)は、蓼科の自然の中で映画の構想を練り、地元の人たちと気さくに交流した。夏の小津会は2人の生活と仕事を知り、伝えようと2012年に始まった。

 今回は映画祭の節目を記念し、28、29の両日に計7本の対談と講演を開催。小津組プロデューサーの山内静夫さん、小津監督のおいの長井秀行さん、俳優笠智衆さんの長女川西成子さん、撮影助手を務めた兼松熈太郎監督など、小津映画ゆかりの人々が訪れる。

 初日の見所は、兼松監督、研究者の宮本明子さんが紹介する小津組の「絵コンテ」。それ自体がデザインと称された絵コンテを通じて当時の撮影現場を振り返る。2日目は「音楽」と「美術」に焦点を当てる。小津映画の音楽を担当した斎藤高順さんの次男民夫さんは、父の親友柏木隆雄さんと音楽を交えて語る。

 このほか、初日には小津監督が愛した日本酒「ダイヤ菊」や湯川産そばを楽しむ懇親会、映画「彼岸花」の上映会がある。最終日の30日は小津、野田両氏が好んで歩いた「小津の散歩道」をガイドとともに歩き、一本桜などゆかりの地を訪ねる。

 参加料は講座が500円、懇親会は2000円。蓼科高原会館で28日開く上映会、30日の「小津の散歩道」はともに無料。各講座の定員は40人程度で、事前予約は優先的に入場できる。

 申し込み、問い合わせは、蓼科観光協会(電話0266・67・2222)へ。