中川村は、今年2月に廃業した民間温泉施設「秘湯の宿小渋湖温泉」(同村桑原)の土地、建物を取得する方針を固めた。27日開いた村議会全員協議会で明らかにした。議会9月定例会に取得費の補正予算を計上する。

 同温泉施設は1961年着工の小渋ダム建設に際し、当時の建設省(現国土交通省)が事務所や宿泊施設として建設。ダム完成後に村へ払い下げた。69年7月からは村内の住民が温泉入浴、宿泊、宴会施設として営業を開始。四徳温泉キャンプ場と同じ源泉を使った村内2カ所だけの温泉施設として多くの住民や観光客に人気を誇っていた。

 その後、現在の経営者が体調を壊して本来の営業ができず、経営再建が難しいことから自己破産を決めた。村は今後、施設が競売物件になった場合、村外の落札者による施設の転用、転売や村民が好まない経営をされる事態などを憂慮。「いったん、村が買い上げた上で再活用の方向を模索したい」(村)と取得の検討に入った。

 全員協議会の席上、村議からは「数少ない村の温泉として施設は大事にすべき」「この件に関しては地元の人たちも心配している。積極的な村の対応を望みたい」などの意見が出た。村は「温泉施設を取得後、村が運営することは考えていないが、村内の事業者が経営するような場合は改装費用などの補助も検討し、再生の道を模索したい」としている。