原村大久保でのこぎり製造販売を営んでいた真道弘雄さん(75)が28日、防災と児童生徒の教育に役立ててほしいと、自身の工場で制作した木工用両刃のこぎり120本を村に寄贈した。「手道具の文化を忘れないでほしい。電気が止まってしまう災害時などに役に立てば」と思いを伝えた。

 真道さんは3年ほど前に工場を閉めたといい、残った道具の寄贈を申し出た。昨年9月にものこぎり332本を同村に寄贈しており、今回の寄贈で450本を超えた。

 原村村誌などによると、昭和20〜30年代には、村内に約20ののこぎり製造業者があった。昭和23年には2万4550枚を生産し、諏訪地方で最も生産量が多かった。機械化など時代の流れで50年代には業者が10以下に落ち込んだ。真道さんは兄弟で2代目として20年ほど工場を運営。村内で最後まで残ったのこぎり工場だったという。

 28日は真道さんと役場職員3人が配布先の一つである原中学校を訪れ、荻原敏樹教頭と技術科の飯野敏行教諭にのこぎりを手渡した。同校には昨年分と合わせて60本が寄贈された。飯野教諭は「1年生の技術の授業でこれから使用する機会が増えるのでありがたい。原村の産業の歴史と合わせて生徒に紹介したい」と喜んだ。

 真道さんは「時代の流れで廃業したが、生徒の教材として活用してもらえたらうれしい」と話した。

 寄贈されたのこぎりは、各区に10本ずつ配布されたほか、原小や中央公民館、防災倉庫などで保管、活用していく予定。