伊那市地蜂愛好会は30日、地蜂(クロスズメバチ)を追い掛けて巣を見つけ出す「蜂追い大会」を同市のますみケ丘平地林で開いた。会員や一般ら15人が参加。目印を付けた蜂を追って野山を駆け回り、ほぼ目標通りの6個の巣を取った。巣は参加者で分け合い、10月の「地蜂の巣コンテスト」に向けて育てる。

 「すがれ追い」と呼ばれる伝統的な採取の手法。平地林内の約50カ所に餌となるイカを仕掛けておき、集まってきた蜂に目印の白い糸を付けた餌をつかませて、巣に持ち運ぶところを追った。

 メンバーは目印を付けた蜂が飛び立つと、「それっ」などと声を発して一斉に駆け出した。蜂を見失わないよう注意深く追跡。巣の在りかを突き止めると「よし」「やったぞ」と声を上げ、握手をして喜びを分かち合っていた。

 愛知県春日井市の吉村賢生さん(78)、良美さん(74)夫妻は大会に初参加。賢生さんは「岐阜の生まれで、小さい頃から(蜂追いに)親しんできた。地方によってやり方が異なるので、きょうは伊那谷の蜂追いを勉強し、雰囲気を楽しみたい」と話した。

 愛好会によると、今年は飛び始めこそ遅れたが、蜂の数は多いという。有賀幸雄会長=伊那市手良=は「伊那谷の蜂文化の継承も目的。切磋琢磨していい巣をつくり、大勢の人がコンテストに出品してくれればうれしい」と願っていた。