岡谷市の岡谷蚕糸博物館で30日、開催中の同館開館3周年記念企画展「歌舞伎衣裳展−伝統芸能を支える絹」を監修した同市郷田出身の歌舞伎俳優、市川笑野さん(38)のトークイベントが開かれた。歌舞伎の女形として活躍している市川さんが来館し、女性らしく見せる表現方法や歌舞伎の衣装について講演、展示解説した。

 市川さんは岡谷東高校を卒業後、三代目市川猿之助(現二代目猿翁)に入門。時代物の腰元も世話物の娘や新造もしっかりと演じる安定感などが評価され、澤瀉屋一門の若女形として期待を集めている。2013年に歌舞伎の名題俳優に昇進。同年に岡谷市観光大使に就任した。入門10年後の2007年から故郷の岡谷市カノラホールで「市川笑野舞踊会」を開いており、9月3日には20周年記念の第5回舞踊会を開く。

 トークイベントでは、前半の講演で女形として女性らしく見せる表現方法について、身体の使い方や視線の向け方などを実演しながら紹介。展示室のギャラリートークでは、展示されている長唄「春興鏡獅子」の豪華な衣装や、長唄「鷺娘」の「鷺の精」のあでやかな衣装について解説したほか、再現した楽屋について来場者の質問に気軽に答えていた。茅野市豊平の小林節子さんは、「女形としての仕草や声の出し方など、直接話を聞けてうれしい。衣装も素晴らしく感激した」と満足そうだった。