映画「君の名は。」の聖地として知られ、近年の観光客増加により休日には渋滞や騒音などで地元住民が悩まされる立石公園(長野県諏訪市上諏訪)のオーバーツーリズム(観光公害)問題を巡り、諏訪市は試験運用として7月19〜21日の3連休に、公園駐車場や周辺道路に交通誘導員を複数人配置する。駐車場の出入り口や場内、すれ違いが困難な道路狭小箇所などで車の流れをスムーズにし、渋滞緩和につなげる狙い。効果が得られれば、盆期間や今後の行楽シーズンにも継続する考えだ。

 公園のある立石町の須田賢治区長(68)ら地区三役が11日、諏訪市役所に金子ゆかり市長を訪ね、オーバーツーリズムの改善などを要望。その席上、市都市計画課が明らかにした。公園駐車場は計25台分と限られる上、周辺の県道は狭く休日には渋滞が頻発。ただ付近は傾斜地で市所有の土地もなく、駐車場の増設や県としての道路拡幅は難しいのが実情だ。同課は「ハード面が無理なら、ソフト面からでも対応していく。あくまで応急的な対策だが、効果を検証したい」とする。

 須田区長は「根本的な改善にはつながらないかもしれない」と前置きしつつ、オートバイでの来園も増加傾向にあるとして「バイクを整然と並べるように誘導してもらえるだけでも効果はあると思う」と期待。実際に5月の連休中に渋滞に巻き込まれ、自宅から離れるだけで20分ほど要したという両角清副区長(66)は「公園付近だけではなく、県道の分岐など麓の方に案内人を置いてドライバーに渋滞情報を伝える方法もあるのでは」と話した。

 市ではこのほか、公園付近に路上駐車禁止の立て看板も設置する。昨夏からは駐車場の混雑状況が分かるライブカメラを運用しているが、中長期的には道路の渋滞状況も周知できるようなカメラの増設を検討する方針。同じくオーバーツーリズム問題を抱える他の観光地や事業者と連携した対策も探っていく。

 金子市長は「恒常的ではないものの、鎌倉や京都のオーバーツーリズムによく似た状況」との認識を示し、「観光地としての人気はありがたいが、生活者のことを考えなければならない」と強調。須田区長は「観光客を制限するのは間違いで、市としては観光優先でいい。ただ地元民がもう少し納得できる形で対策を示してほしい」と求めた。