諏訪広域連合と諏訪6市町村、管内の特別護老人ホーム(特養)が、特養入所事務の見直しに向けた検討に入った。介護保険制度が始まった2000年以来、市町村が担ってきた入所事務を施設に移す方向で検討し、入所事務を効率化、迅速化して施設の稼働率を上げ、待機者の削減につなげる狙い。来年3月までに市町村長の意向を踏まえて方向を出し、半年から1年の周知・準備期間を経て移管する計画だ。

 特養は入浴や排せつ、食事の介護、日常生活の世話、機能訓練、健康管理などを行う介護老人福祉施設。要介護3以上が原則だが要介護1、2でも条件を満たせば入所できる。介護度や世帯所得で利用料が減額されるなど、公共性が高く利用しやすいのが特徴。諏訪地域には社会福祉法人や自治体が運営する特養が19施設(1087床)ある。

 入所手続きは現在、第3希望の施設名まで記入できる入所申込書を、6市町村の介護保険担当課窓口に提出する。市町村は介護度や自立度、世帯状況、介護サービス利用状況などを評価基準に基づいて125点満点で評価し、入退所検討委員会で優先順位を決定。施設別の待機者リストを作って各施設に送付する。施設は退所者があった場合に、優先順位に基づいて待機者に意思確認の連絡をする。

 特養の入所事務は施設が行うのが一般的だが、特養が老人福祉法に基づく市町村の入所措置の対象施設でもあることから、諏訪地方では市町村が長年事務を担ってきた。ただ、法律に基づく事務ではなく、リストが施設に届くまでに時間もかかるため、待機者や施設の状況変化に対応できないといった課題が以前から指摘されていた。

 見直しは、第7期諏訪広域連合介護保険事業計画(2018年度から3年間)の策定に合わせて着手。各施設と6市町村、広域連合介護保険課の担当者でつくる検討会の初会合を6月14日に開き、今後の日程を確認した。検討会は全3回開き、入所事務を施設で行う場合の体制整備や市町村の役割を話し合う。

 入所事務が見直された場合、個別の施設に申し込むことになるため利用者の手間は増えるが、利用したい施設をより自由に選択できるようになる。他圏域からの利用増も想定される。同連合介護保険委員会からは、特養のセーフティーネットの役割や地域の需要に応えられる仕組み作りを求める意見が出ているという。入所事務や稼働率向上に対応する施設の人材確保も課題になりそうだ。

 同連合介護保険課は「住民の皆さんが入所事務は行政の業務だと捉えていることは否めない。十分な周知期間を設けて丁寧な説明を行い、移行期間は柔軟な対応で住民サービスが低下しないようにしたい」と話している。

 7月1日現在の諏訪地域の特養待機者は446人。介護老人保健施設が42.2%、在宅が26.8%を占める。市町村別だと茅野市133人、岡谷市112人、諏訪市94人、下諏訪町52人、富士見町38人、原村17人。特養の平均利用期間は4〜5年。利用期限はなく死亡や入院などで退所となる。