伊那市東春近の「老松場古墳群」で14日から、関西大学文学部の考古学研究室(米田文孝教授)が測量調査を始める。古墳7基からなる古墳群に正式な調査が入るのは初めて。前方後円墳か前方後方墳かで見解の分かれる1号墳を含めて、古墳群一帯の調査結果が早ければ3年後には分かる。1号墳が前方後円墳ならば上伊那地方では2例目で、最も古い前方後円墳になる可能性が高いという。

 古墳群にある7基のうち6基は円墳とされる。北端の1号墳は全長約30メートルで市内最大の墳丘規模。「伊那市史」(伊那市史編纂委員会編さん、1984年発行)によると、円形の墳丘が二つつながった「双墳」と考えられるとされているが、正確な墳形は分かっていない。

 2015年12月、近くの東春近小学校の当時6年生が1号墳の測量調査を行った。測量器機を使い、50センチ間隔の等高線で描いた測量図を作成。16年4月、県考古学会は測量図を基に現地視察を行い、「4世紀末か5世紀初めの前方後円墳、または前方後方墳とみられる」と見解を示した。

 現在、上伊那地方にある前方後円墳は箕輪町の松島王墓古墳の1基のみ。全長は約60メートルで、6世紀中頃から後半に造られたと推定されている。

 市創造館の学芸員濱慎一さんは「1号墳が前方後円墳であれば、墳形から上伊那で最も古い前方後円墳になる可能性が高い。老松場一帯に上伊那で最も早くに当時の中央政権とつながりを持つ有力者がいたことが分かる」と指摘。前方後方墳ならば上伊那初の発見になるという。

 「円墳とされる他の古墳も(四角い墳丘の)方墳の可能性もある」と濱さん。「県内の古墳時代の歴史が変わるかもしれない」と調査結果に期待している。