茅野市出身の建築家藤森照信さん設計の独創的な茶室の制作が進んでいる。「低過庵」と名付ける竪穴式の一風変わった茶室で、市美術館主催のワークショップ(WS)として市民と藤森さんが共同制作している。藤森さん設計の茶室「高過庵」などが立ち並ぶ同市高部の神長官守矢史料館近くの一角に設置し、9月17日にオープンする予定だ。

 茶室の設置は、八ケ岳JOMONライフフェスティバル、縄文アートプロジェクト2017の一環として計画。05年に藤森さんが描いたイメージ図を基に、藤森さん自身が新たに詳細設計図を書き直して制作している。

 WSで茶室を造るのは、現在、神長官守矢史料館近くにある藤森さん設計の「空飛ぶ泥舟」の制作以来。今回は週末中心の全8回のWSで制作予定で、7月23日から制作を開始。毎回藤森さんも市民らとともに作業している。

 3回目のWSが行われた12日は25人ほどが参加。藤森建築を学ぶ学生やかつての教え子らも県外から駆けつけた。この日の作業は二層構造になる茶室の内部構造物に漆喰を塗る工程。参加者は炎天下の中、玉のような汗を流しながら作業した。

 かつて藤森さんの指導を受けたという設計士の村松一さん(41)=千葉県富津市=は、茅野市内の実家に帰省中で、妻と子どもの3人で参加。娘の風子さん(小学3年)は特に熱心に作業しており、一さんは「娘が建築に興味を持ってくれてうれしい」と話していた。

 今後は、茶室の屋根部分やいろり部分などを作った後、建設予定地での設置作業を行うという。

 オープン予定日の9月17日と10月7、21日の3日は、高過庵と空飛ぶ泥舟、守矢史料館を含めた特別見学会を開催。藤森さんは「新たな茶室が既存の茶室と一体となることで、多くの人に関心を持ってもらえれば」と完成を楽しみにしている。