地域おこしに取り組む茅野市のNPO法人調和の響きエコツーリズムネットワーク(近藤日佐子理事長)は11日、学習会「中山間地域における地域資源の森林と堰の利活用―世界かんがい施設遺産 大河原堰、滝之湯堰から学ぶ」を市民活動センター「ゆいわーく茅野」で始めた。

 公益財団法人国土緑化推進機構の「緑と水の森林ファンド」助成事業に採択され、来年2月まで座学の学習会や野外実習などを行う。第1弾のこの日は信州大学名誉教授(森林政策学)の小池正雄さん(71)=同市宮川=が特別講演し、学習会で会員ら3人が自身の研究成果などを発表した。諏訪地方や東京都から約20人が来場した。

 小池さんは「人間と森林と水の関係を考える」と題して話し、国内外の治山治水の歴史をひも解いた。今は「水源涵養機能にしても森林の扱い方次第では安定的で持続可能なものに導くことができる段階」とし、「人工林も天然林も次世紀に向けた恒続林施業が必要」と説いた。

 その上で「大河原堰、滝之湯堰をはじめとした多くの堰、水道、井戸など茅野市の水環境が持続性を持った形で展開できるかは、今の森林の取り扱い方いかんに関わってくる」と提言した。

 大河原堰の管理、運用をする大河原堰土地改良区の元総代、五味省七さん(87)=同市玉川=は、世界かんがい施設遺産に登録された同堰と滝之湯堰について発表した。

 河川の余った水を流して分水する「繰り越し堰」の技術が評価され、二つの堰は登録されたとした上で、登録されなかった他の「養川せぎ」と言われる堰にも関心を持ってほしいとした。

 今後、学習会は11月まで4回あり、坂本養川や財産区などについて学習。野外実習は11月に行い、滝之湯堰などを見学する。シンポジウムは来年2月に開く。問い合わせ、申し込みはNPO法人事務局(電話0266・76・5932)へ。