国の重要文化財「絹本著色2幅『羅漢図』」を所蔵する諏訪市小和田の教念寺(中村在徹特命住職)は、「羅漢図」が絹の損傷や絵の具層の剥落など経年劣化していることから、修復を前提に検討を始めた。修復には数年を要することから、23、24の両日(午前10〜午後3時)、同市指定有形文化財「紙本著色『当麻曼荼羅図(たいままんだらず)』」や、経堂、山門2階に安置する寺宝と併せ壇徒、一般に公開する。

 「羅漢図」は、釈迦の優秀な弟子・羅漢像の「■怙羅尊者(らごらそんじゃ)」と、「半託迦尊者(はんたかそんじゃ)」を描いた双幅。「■怙羅尊者」は、座禅を組んで瞑想に入っている柔和な姿に、赤い蓮華(れんげ)を捧(ささ)げる童子を従い、右上にはリスのような動物も描いている。

 「半託迦尊者」は、襟(えり)を広げて筋骨を表し、両眼を見開いてはるか彼方を見据え、岩に半迦に座っている。水中より姿を現した鬼が従う。

 双幅は、2015年東京国立博物館で開かれた特別展「鳥獣戯画」で展示された。京都高山寺の国宝「明恵上人像樹上坐禅像(みょうえしょうにんぞうずじょうざぜんぞう)」の画中に、「■怙羅尊者」と同様のリスのような動物が描かれていることから、「明恵上人像」の制作に当たって影響を与えた羅漢図の一点として、研究者らに注目されている。

 修復は文化庁、県、市の専門家らのアドバイスを受けながら寺の関係者が協議。「手を入れる時期が来ている。文化的価値の高い宝を守り、未来に残したい」としている。

 同寺は1571(元亀2)年開山。1843(天保14)年の大火で本堂や庫裏などを全焼、46年再建した。焼失を免れた経堂には、西国三十三観音像、経本を納めた回転式朱塗りの経蔵がある。1903(明治36)年に再建された山門2階には、大火の際運び出された釈迦三尊像、十六羅漢像も安置されている。

 同寺の岩波秀成主務者は「中村特命ご住職の助言や壇徒の理解の下、修復に向け前進できた。寺宝の数々を再認識する気運も高まり、この機会に近年一般公開してこなかった経堂や楼上も開けたい」としている。23日は檀家中心、24日は誰でも鑑賞できる。希望者は直接教念寺へ。問い合わせは岩波主務者(電話090・8962・0071)へ。

 ■=口へんに羅