伊那市高遠中学校は今年度、文部科学省の学校ICT(情報通信技術)環境整備促進実証研究事業に参加する信州大学や、ものつくり大学(埼玉県)と連携して、より専門性の高い授業で生徒の学びの質を高める取り組みを始めている。信州大学との専用回線で高速通信環境を構築して準備を進め、秋からは、テレビ会議システムを通して専門講師の助言を得る授業の試行に入った。

 技術と美術を融合させた授業で、科学的な考え方と芸術的創造性を教えていくことに取り組んでいる同校。2年生は抽象立体作品を創作し、それをイルミネーションで飾って光の点滅を制御するまでを総合的に学ぶ計画だ。

 11日の美術の授業では、ものつくり大学とテレビ会議システムで結び、中央で活動するクリエーティブ・プランナーを講師にデザインの考え方を教わった。

 授業のテーマは「自分の心を形にしてみよう」。前回の授業で「心」のイメージとして「根気」や「生」などの言葉を挙げた生徒たちは、第三者の目で再度イメージした。「心が難しいのは目に見えないから。一回、目に見えるものに置き換えてみよう」と教える講師。「先生、根気って何を書いたらいいのか分からない」と生徒が口にすると、モニター越しに「まずは、根気がいるものを書いてみよう」と即座にアドバイスが返ってきた。

 小規模校の場合は教職員数も限られ、専門分野に十分対応できないケースもあるという。同校の技術の授業では、基板の組み立てで必要になるはんだ付けを、信州大学の技術系の大学院生が指導した。教える側、教わる側の手元が双方のモニターに映し出され、的確なアドバイスが生徒たちに瞬時に届いた。

 市ICT活用教育推進センターでエリアコーディネーターを務める足助武彦教諭は「手元がすごくよく分かる。子どもたちもそれを見ながら、すぐにはんだ付けができた。使える技術だと思う」と話した。