伊那市は17日の市議会全員協議会で、制定を検討している太陽光発電施設の設置に関する条例の素案を明らかにした。条例の規制対象とする施設の発電出力を10キロワット以上として現行のガイドラインより引き下げ、より広く規制をかけるとともに、施設を設置できない「禁止区域」や設置を抑制する「抑制区域」を規定し、規制を強化する方針を示した。市は今後、「できるだけ早い時期」に条例案を市議会に提出、施行を目指す。

 市によると、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度では発電出力が20キロワット以上の施設の情報を公表しており、20キロワット未満の施設の情報は把握できない状況があった。ガイドラインも同制度に準じて20キロワット以上の施設を対象にしているため、住民らが知らないうちに施設が設置される懸念があり、条例では10キロワット以上に引き下げることで「広く網をかける」とした。

 また、ガイドラインでは「設置を避けるべき区域」として土砂災害特別警戒区域などを規定していたが、素案では施設を設置できない区域を「禁止区域」として明確化。1.文化財保護法の指定区域やその敷地境界線から水平距離30メートル以内の区域 2.農地法による第1種農地 3.砂防指定地 4.地すべり防止区域 5.急傾斜地崩壊危険区域 6.土砂災害特別警戒区域―の六つを規定した。

 さらに、地すべり防止区域に準じる区域など災害発生のおそれがある区域や、埋蔵文化財包蔵地、水道水源保全地区、市街地、景観形成住民協定区域など自然環境や生活環境、景観、歴史・文化を守るべき区域を「抑制区域」と定め、手続きを厳格化した。

 監督、指導についても条例で新たに規定。虚偽や不正な手段で許可を受けた場合には許可を取り消したり、施設の完成後も適切な維持管理のため改善命令や立ち入り調査、勧告を行ったりできるほか、正当な理由なく勧告に従わない場合などは5万円以下の過料とする罰則も設けた。

 市生活環境課は「伊那市は中山間地域が多く、災害発生の危険がある指定区域を禁止区域、指定区域に準じる区域を抑制区域とするなど伊那市らしい特徴のある規定とした。既存のガイドラインより相当ハードルの高いものとなっている」と強調した。