日本洋画壇で活躍した長崎県ゆかりの画家、野口彌太郎(1899〜1976年)の多彩な作品51点を集めた企画展「野口彌太郎の足跡をたどる〜絶筆『カーニュの印象』に至るまで〜」が17日、長崎市平野町の市野口彌太郎記念美術館で始まった。
 野口は、父親が諫早市出身だったことから県内の風景も描いた。野口の作品を340点所蔵する同館では、年2回、展示作品を入れ替えている。
 会場の作品は年代順に展示。フォービズム(野獣派)として知られる野口だが、戦前の作品「カーニュの古城」は繊細なタッチ、戦時中の「中国服の女B」には従軍画家ではない自由な作家魂がにじむ。戦後間もない「長崎の街」は復興の息吹も描き込んだ。代表作の「那智の滝」は骨太い筆触で色鮮やか。絶筆の「カーニュの印象」は洗練された表現が結実している。
 同市大手2丁目の田代雅美さん(67)は「油彩だけでなく、パステル、木炭、ペンで描いた作品も並び、見応えがある」と話した。同展は10月14日まで。月曜休館。