県立大佐世保校地域創造学部の学生が、本年度から長崎県東彼波佐見町の観光や地場産業をテーマにした実地研究に取り組んでいる。波佐見焼のブランド化や若い世代のまちづくりを背景に観光客を伸ばす波佐見町から、地方創生や地域経済を学ぶ狙い。新たな観光の形を模索する町側も「若い視点や発想を取り入れるチャンス」と歓迎している。
 指導するのは地域経済学が専門の竹田英司准教授。これまで8月と9月の2回、学生を連れて町を訪れた。波佐見焼の知名度向上や人気エリア「西の原」のにぎわいを追い風に、観光客を増やしたことについて「地方創生の模範解答がある」と評価する。
 このうち9月は、農学が専門の吉本諭准教授のゼミ生も加わり、2〜4年生の約60人が合宿形式のフィールドワークに取り組んだ。焼き物の絵付けや野菜の種まきなどの体験型観光メニューに参加。住民に交じって「鬼木棚田まつり」も手伝った。観光客が多い4カ所ではアンケートも実施。今後、観光の現状と課題をリポートにまとめる。これを基に、町の関係者と意見交換しながら観光資源の掘り起こしやメニュー創出にも関わる考えだ。
 波佐見町は、波佐見焼の伝統や文化を観光に生かす「クラフト・ツーリズム」の構築を目指し、産学官の協議会を立ち上げたばかり。会長を務める陶磁器商社、西海陶器の児玉盛介会長は「ものづくり産業の落ち込みから脱却するため、若者、よそ者の感覚を大切にしてきた。新しい波佐見の魅力を皆さんでつくってほしい」と学生に呼び掛けた。
 3年の川島功暉さん(20)は「波佐見は焼き物のイメージが強かったが、ほかにも多彩な体験ができる。一方、アクセス面などの課題があると感じた」と分析。竹田准教授は「焼き物に限らず学生一人一人の町への印象が観光のコンテンツになりうる。学生と地域が協力して新しい観光産業をつくっていきたい」と話した。