現役引退会見を開いた体操男子の内村航平の両親が14日、長崎県諫早市内で取材に応じ、母の周子さんは「とうとうこういう日が来た。2008年北京五輪の予選から思い描いていたので…」と心境を語った。
 昨夏の東京五輪から約1カ月後。周子さんが電話で今後について聞くと「あちこちボロボロだよと彼は言った。このときから引退の予感があった」と振り返った。
 会見前夜に「おつかれさま。夢を見せてくれてありがとう」と伝えたら「夢みたいな現実だけどね」と粋な返しもあった。周子さんは「私たちにとっては夢。漫画のように描いて楽しませてくれた。この最終回がきた」とたとえた。続けて「14年前は大変なことが起こったなと思った。有頂天にならず、威張らず、謙虚に生き抜いていく家族でいようと思っていた。いつか挫折はくるだろうと思っていた。挫折ではなく、こういう形で見守られて終われる」と感謝の言葉を口にした。
 内村は五輪と世界選手権で計28個のメダルを獲得するなど、輝かしい実績を残してきた。父の和久さんは「北京五輪のコバチが印象的。これだけモチベーションを一つ一つの大会に持っていけるのは、親ながらにすごいなと感心していた」と息子の競技者人生をねぎらった。
 3月12日の引退イベントに向けては「体操の楽しさを伝えてくれたら」と期待を寄せていた。