九州大地震火山観測研究センター(島原市)などは12日、防災視察登山を実施し、雲仙・普賢岳の噴火活動で形成された溶岩ドーム「平成新山」(標高1483メートル)の状態を調査した。同センターの松島健教授(65)は「火山活動は静穏で噴火の兆候は見られない」との見解を示した。
 溶岩ドームを監視している国土交通省のほか消防、警察、報道関係者ら計86人が参加。一般の立ち入りが禁止されている警戒区域内に入り、溶岩ドームの斜面を登って山頂を目指した。
 同センターの観測によると、山頂部の噴気温度は約90度。噴気のほとんどが水蒸気で、安定した状態が続いているという。国交省雲仙砂防管理センター(島原市)は、溶岩ドームの島原市側へのずり下がりは落ち着いていると説明。松島教授は「直下型地震などによる崩落には引き続き注意が必要」と述べた。
 普賢岳は1990年11月に噴火。翌年5月に溶岩ドームが出現した。ドーム崩落に伴う同年6月3日の火砕流で43人が犠牲となり、その後にも1人が亡くなった。96年6月に終息宣言が出されたが、溶岩ドーム(体積約1億立方メートル)は不安定な状態で堆積している。