不登校の子ども支えるガイド 長崎の小児心療科医が刊行、保護者向けを意識「希望失わなければ動き出す」
小柳所長は、子どもの心の問題を幅広く扱う小児心療科医。同センターは原則15歳(中学生)までの子どもを対象にした医療機関だが、小柳所長は診療・相談で関わった子どもたちの進学や就職、社会復帰とその後の成長まで見守ってきた。そうした経験を基に、2009年に不登校に関する著書を刊行。今回の「対応ガイド」はその著書に大幅加筆し、より保護者向けを意識した内容に改訂した。
不登校の経過について「こころのエネルギー」の状態で説明。エネルギーが低下すると不登校となり、その蓄積とともに元気を回復する。最もこころのエネルギーが低下して親子とも混乱する時期を「混乱期」、学校に行けないことを受け入れた時期を「休養期」、少しずつ外に出ることができるようになった時期を「回復期」とした。
学校に行けなくなると、子どもは「もう自分は終わった」、保護者は「この子の将来はどうなる?」と悲観しがちだが、回復していく段階に応じて必要な対応を取れば自立していけると展望を示した。
小柳所長は「将来への希望をなくすことは全くないと伝えたい。きっとどうにかなる。家族だけで孤立せず相談機関や病院につながっていれば、必ず支援の手は伸びてくるし、子どもはいつか動き始める」と力を込める。
診療の際には、不登校になった原因はいろんなことが絡んでいるため、一つにこだわらないよう保護者に促しているという。保護者が「育て方が悪かったんでしょうか」などと自らを責める場合もあり、「親も人間。頑張って無理していたらもたない。できる範囲でやりましょう」とねぎらうことを心がけていると打ち明ける。
不登校の子どもの数は増えている。23年度の小中学校の不登校は約34万6千人(文部科学省まとめ)。最近の傾向として小柳所長は「低年齢化していると言われている」とし、ゲーム・ネット依存には「生活を整えることが大事」と助言する。
対応ガイドでは、最終目標は学校に行くことではなく「子どもが穏やかに、無理のない社会参加をしながら生きていけるようになる」こととし、支援するには「社会参加のパターンや装置をさまざまな形で用意し、いろんなパターンの生き方を許容できることが大切」と添えた。
「神経発達症(発達障害)の診断について」など解説的な「コラム」21本、「家族がどのくらい通学を手伝うか」など「家族へのアドバイス」11本を盛り込み、平易な言葉で語りかけている。
25日発行。A5変型判、144ページ。2420円。全国の書店やインターネット通販で注文できる。


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