体長3.5メートルを超えるナンヨウマンタ。今までよくわかっていなかったその共同生活の実態が明らかになりつつある。

 マーク・マークレイ氏がドローンを使って米ハワイ州オアフ島沖で撮影した動画には、ナンヨウマンタたちが優雅に食事をする姿が鮮やかに映っている。

 海洋大型動物保護財団の理事でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーでもあるアンドレア・マーシャル氏は、「ドローン撮影が可能になったとき、ボートがそばにいなければマンタはもっと自然に行動することに気づきました」と話す。マーシャル氏はこの動画の撮影には関わっていないが、15年以上マンタの行動について研究している。

 マーシャル氏によると、マンタが円を描くようにして泳ぐのは、協力し合って食事をするためだという。マンタは食事をする際に別のマンタの後について泳ぎ、大きく口を開けて濾過摂食(ろかせっしょく)をする。先頭を泳ぐものが一番多くプランクトンを食べることができるが、交代で先頭を泳げるように順番に位置を変えてゆく。

 マーシャル氏は、「マンタ同士には深いつながりがあるようです。一緒にいるときは、信じられないほど社交的なのです」と語る。マンタが共同で行うのは食事だけではない。よく仲間同士で遊んでいる。

 興味深いことに、マンタのグループは家族とは限らない。マーシャル氏は研究のなかで、マンタが長時間共同生活を送る理由を突き止めるために、DNAの分析を行った。そこから、行動を共にしているマンタは親戚同士ではなく、たんに一緒に育った友だちである可能性が高いことがわかっている。