科学界のアカデミー賞とも言われるブレイクスルー賞の受賞者が発表された。人類が初めて目にした巨大なブラックホールの画像、神経変性疾患を引き起こすもつれたタンパク質、痛みを脳に伝える経路など、科学の壁を突き破った研究が表彰される。

 ブレイクスルー賞は主要な各賞の賞金が300万ドル(約3億2000万円)と、科学分野では最も賞金額が高い。ユーリ・ミルナー氏やマーク・ザッカーバーグ氏ら、シリコンバレーの大物たちが出資し、生命科学、基礎物理学、数学の3分野における最先端の業績を称える。また、他の有名な科学賞と違い、少数の選ばれた個人ではなくチームが受賞することが、ブレイクスルー賞では珍しくない。

 例えば、今回の基礎物理学ブレイクスルー賞は、M87銀河の中心にある巨大ブラックホールを画像化した「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT:事象の地平線望遠鏡)」チームのメンバー347人に授与されることが発表された。人数があまりに多いことから、秘密保持のため、受賞について知っていたのはメンバーのうち1人だけだった。

「ほかのメンバーに伝えるのが待ちきれません。ずっと黙っているのが大変でした」。こう話すのは、プロジェクトリーダーで、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのシェップ・ドールマン氏だ。

 今回の発表ではブラックホール撮影のほかに生命科学で4組、数学で1人と、計6チームの受賞が発表された。受賞者は、11月3日に米カリフォルニア州のNASAエイムズ研究センターで開催される授賞式で表彰され、ナショナル ジオグラフィックが生中継する。今回受賞した研究のうち、二つを以下に紹介する。

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