2020年、地上はコロナ禍に席巻されたが、星空ではネオワイズ彗星の突然の出現や、木星と土星の大接近など数々の天文イベントが私たちを癒やし、楽しませてくれた。

 注目の天文現象が目白押しなのは、今年も変わらない。ここでは、2021年にチェックしたい10の天文イベントを紹介しよう。

2月11日:金星と木星の接近

 この日は早起きが報われる。天空に明るく輝く2つの惑星、金星と木星の接近を見ることができるからだ。どちらの星も肉眼で明るい点に見え、天体望遠鏡を使えば、両方の星を同時に観測できる。さらに、その右上には土星まで見える。

 観測するなら、南東の空の地平線付近がよく見える場所を探しておこう。この接近が起こるのは日の出間際なので、観測のタイミングがとても重要になる。最適な観測タイミングは太陽の光で空が明るくなる日の出の直前だ。

3月9日〜10日:4つの天体の共演

 この日、南東の朝の空に4つの天体が集まる。水星、木星、土星はほぼ一直線に並び、その近くには細い月が見える。3つの惑星はいずれも明るい点に見えるが、水星が一番小さく、木星が一番明るい。すべて肉眼で観測可能だ。

 双眼鏡を使えば、木星の4つの衛星を見ることもできるだろう。天体望遠鏡なら、土星の環も見えるはずだ。地球、水星、太陽の相対的な位置の関係で、水星を天体望遠鏡で見ると、まるで小さな半月のように見えるだろう。

5月26日:スーパームーン皆既月食

 北米西部、南米西部、オーストラリア、アジア南東部では、皆既月食の赤い月(ブラッドムーン)を見ることができる。このドラマチックな天文ショーは、太陽と地球と月が一直線に並び、地球の影が完全に月を覆ったときに発生する。

 皆既月食では、地球の大気を通った太陽光は、赤い光が屈折して月を照らす。そのため、部分月食のときに灰色だった月は、皆既月食が始まると赤っぽい色に変わる。月がどんな色に見えるかは、地球の大気中の塵の量によって変わってくる。

 この皆既月食は、楕円軌道を描く月が一番地球に接近する「スーパームーン」のタイミングと一致する。そのため、通常の満月よりも明るく大きく見える。地球の影が月と重なり、部分月食が始まるのは、日本時間の18時44分。月が赤く見える皆既月食は、20時11分に始まり同25分に終わる。

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