ちょっとひととき…懐かしい “昭和の長崎”を感じてみてください。
今回は、埋め立てられ、今では全く想像もできない『幻の海水浴場』です。
NBCライブラリーに残る 昭和30年代の貴重な映像の一コマです。
「賑やかだった夏が終わり季節は秋へ」
そんな季節の変わり目をとらえた昭和のニュース映像です。

海水浴場のにぎわいは毎年のように季節のニュースになりますが、夏のシーズンが終わった直後の映像はあまり見たことがないかもしれません。



昭和38年(1963年)9月初めに撮影された長崎市『東望の浜海水浴場』です。
多くの海水浴客が訪れた夏休みも終わり、海の家はひっそりと静まり返っています。

夏の最盛期には、老若男女でごった返し身動きも取れない状態だった桟敷も、今はがらんとして空間がやけに広く感じます。

今ではあまり見ることが無くなった、木造の大掛かりな造りの「海の家」。
この映像からは「桟敷の中はこんな感じだったんだ」とか「造りが結構しっかりしている」などといった声も聞かれそうなくらい、当時の海の家の構造をはっきり確認することができます。


桟敷に敷いていた長いゴザがきれいに丸められ、店じまいが始まっています。


乗る人がいなくなった木製のボートが陸に上げられ、並べられています。


海水浴客がいなくなった遠浅の砂浜では、家族連れが潮干狩りを楽しんでいます。

今は無き幻の海水浴場…遠浅が広がる“東望の浜”の夏の終わりの風景です。

東望の浜海水浴場は、大正時代から長崎県内有数の海水浴場として賑い、海岸一帯には数えきれないほどの桟敷が建ち並んでいました。
遠浅の広々とした砂浜では潮干狩りも楽しめる人気スポットでしたが、海水の汚染や砂の流失のため、昭和40(1965)年に廃止。
今は埋め立てられて長崎市中央卸売市場等が建っています。
放送局が撮影した 長崎の映像を配信している“ユウガク”より