元JRA騎手で、現在は栗東トレーニングセンターを中心に活動を行う常石勝義さんが先日、滋賀県で行われた聖火リレーに参加した。

 聖火ランナーに決定した時、同じく聖火ランナーを務めることになっていた武豊騎手と、乗り役らしいこんな微笑ましいやり取りがあった。

「常ちゃんも走るんか? 僕も走るけど、馬に乗って走るわ」「じゃあ、乗馬の馬で併せ馬しましょう」

 もともと常石さんは、日本でオリンピックが開催されると聞き、障がい者馬場馬術での出場を目指してきた。

「オカンここオレの家やんな、家売っていいから馬買って欲しい! 聖火ランナーにも応募して走ることで、次のステージの導火線に点火することができた」

 仲間みんなの頑張りが、次のステージへと踏み出す決意を後押しした。

 そして、今月。パラリンピック出場をかけて、単独で渡欧。大会に臨んだが、惜しくも代表には手が届かなかった。

 安定して結果を残さなければならない障がい者馬場馬術の難しさが、常石さんの夢を阻んだ。できることはすべてやったうえでの、無念の候補落ち。

 しかし、ここで立ちどまっているわけにはいかない。次なる目標は来年の世界選手権。フランスへ向けて、決意を新たにさらなる飛躍を心に誓っている。

 常石さんが当時使用したトーチやユニフォーム、写真などは、栗東トレセン近くの滋賀銀行栗東トレセン前支店で今月いっぱい飾られている。