【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆抜けた存在が不在ならオークスも波乱呼ぶ

 デアリングタクトが63年ぶり、史上2頭目の無敗での二冠を達成したのが2年前。昨年は白毛のソダシがこれに続くかと期待されたが、道中かかり気味になったのがこたえて最後は伸びを欠いて8着に終わっていたオークス。

 あれから1年。ヴィクトリアマイルでそのソダシは甦った。オークスは、2400米の距離が未知数の3歳牝馬たちの一戦だけに、どれもが走ってみないとわからないところに、挑戦する価値がある。

 そして、その結果から得たものがその馬の将来を決定する。だが、早い段階では、あくまでも可能性を追求するのが競馬だから、出走馬たちの将来はこの一戦にかかっていると言っていい。

 オークスまでのレースの中で前哨戦として一番重要なのは、もちろん桜花賞だが、今年は大混戦の末7番人気のスターズオンアースが勝って波乱だった。もっとも0秒2の中に9頭がひしめき、1、2、4番人気馬が外枠を引き、しかも内が有利なコース条件などがあったこともあり、その着順は絶対視はできず、外を回って脚を伸ばしていた馬に、東京の2400米ならと気持が向く。

 桜花賞が波乱だった年のオークスがどうだったか見直してみた。8番人気レーヌミノルが勝ち、3番人気リスグラシューが入った5年前、オークスは桜花賞3着で1番人気のソウルスターリングが1着、フローラS1着で6番人気のモズカッチャンが2着だった。

 その2年前の2015年の桜花賞は、1着5番人気レッツゴードンキ、2着7番人気クルミナルで、オークスは、忘れな草賞1着で3番人気ミッキークイーンが1着、桜花賞9着ながら、その前の3戦できさらぎ賞など牡馬相手に3連勝していたルージュバックが1番人気で2着に入っていた。

 いずれも中波乱と言っていい。この2年に共通しているのが、オークスで桜花賞以外の前哨戦を戦ったものが1、2着のどちらかにからんでいる点で、今年もこの例にそって考えてみるべきだろう。

 つまり、桜花賞が紙一重の結果だったので、完全に他を圧する存在はいない。ならば、他の前哨戦、フローラS、忘れな草賞、フラワーC組からの狙いも可能ということになる。

 では、その前哨戦の中で今年はどれに注目したらいいかになる。インパクトのある勝ち方をしたのが忘れな草賞のアートハウス。2戦して休養し、4ヶ月ぶりのレースで最速の末脚で3馬身差をつけていた。毎年オークスで好走しているフローラS組では、今年は勝ち馬エリカヴィータが、直線長くいい脚を使い余裕が感じられた。この2頭はキャリアは3戦。オークスでの伸びしろが期待できる。

 あとは、桜花賞組からとなるだろう。優勝したスターズオンアースは安定感があり、2着ウォーターナビレラは遅生まれで伸びしろが大きいのが魅力だが、展開が向かなくとも最速の上がりで4着に入ったサークルオブライフを上位に。東京で重賞を勝っている。

「万感の 思いを胸に めざす秋」

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