【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・6/5 安田記念(GI・東京・芝1600m)

 中団追走から馬群の外を伸びたソングラインが、シュネルマイスター、サリオスとの追い比べを制し、初のGIタイトルを獲得しました。今世紀に入ってから牝馬の優勝はウオッカ、グランアレグリアに次いで3頭目。道中12秒台のラップが二度連続するスローペースだったので、勝ち馬の上がり3ハロンは32秒9。19年のインディチャンプと並んで史上最速です。

 父キズナはエリザベス女王杯を勝ったアカイイト、重賞4勝馬ディープボンドをはじめ、ファインルージュ、ビアンフェ、マルターズディオサなどの父。GIを勝ったアカイイトと本馬はいずれも「キズナ×シンボリクリスエス」という組み合わせです。

 3代母ソニンクの一族は、ダービー馬ロジユニヴァース、秋華賞と英G1ナッソーSを勝ったディアドラをはじめ、多くの活躍馬を出しており、とくに東京コースの芝重賞では連対率38.5%と好成績を挙げています。

 前走のヴィクトリアマイルは3コーナーで躓く不利があり、なおかつ展開も向かず5着。今回は中2週で難しい調整だったはずですが、陣営がうまく仕上げました。能力にふさわしいタイトルをようやく獲得した、という印象です。

◆今週の血統Tips
 6月5日、仏シャンティイ競馬場で行われた仏ダービー(G1・芝2100m)は、好位を追走したヴァデニ(Vadeni)が後続に5馬身差をつけて楽勝しました。クリストフ・スミヨン騎手が残り100mで早々とガッツポーズをし、最後は流しながらのゴールという余裕の勝利でした。仏ダービーが2100mに距離短縮されてから最大着差で、馬主のアガ・カーン四世殿下は2006年のDarsi以来16年ぶり8回目の制覇となります。

 凱旋門賞に挑戦するドウデュースに強力なライバルが出現したといっていいでしょう。父チャーチルはガリレオの息子ですが、現役時代はマイラーでした。このあたりが2400mのパフォーマンスにどう影響するのか、今後のレースで見極めていきたいところです。

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