【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・6/12 エプソムC(GIII・東京・芝1800m)

 3番手を追走したノースブリッジが直線で早め先頭に立ち、ガロアクリーク以下の追撃を抑えました。ローレルゲレイロやディープボンドなど、多くの重賞勝ち馬を出している村田牧場の生産馬。この2頭と同じくモガミヒメのファミリーに属しています。

 母アメージングムーンはファンタジーS3着馬で、その半兄に前出のローレルゲレイロ(高松宮記念、スプリンターズS)がいます。父モーリスはピクシーナイト、ジャックドール、シゲルピンクルビー、ルークズネストなどの父。この他、シャトルで渡ったオーストラリアでヒトツ、マズと2頭のG1ホースを誕生させています。

 母方にサンデーサイレンスとミスタープロスペクターを併せ持つパターンは父モーリスの成功パターンで、アルビージャ、ディヴィーナ、ハセドン、ソリタリオなどコンスタントに活躍馬を出しています。先日、東京開幕週の新馬戦で強い勝ち方をしたノッキングポイントもこれに当てはまります。

 モーリス産駒の東京芝コース連対率は26.9%と、全10場のなかで最も優れています。なかでも、天皇賞・秋が行われる東京芝2000mは41.4%と驚異的。さらにひと回り成長し、折り合い面に進境を見せれば侮れません。

◆今週の血統Tips

 6月11日、米ベルモントパーク競馬場で8つのG1が行われました。春シーズンの米東海岸のビッグイベントで、さまざまなカテゴリーの一流馬が集います。メインレースは米三冠の最終関門ベルモントS(米G1・ダート12ハロン)ですが、今年はフライトライン(Flightline)が出走するメトロポリタンH(米G1・ダート8ハロン)も注目の的でした。

 同馬はG1を含めてここまで3戦全勝。勝ちっぷりが凄まじく、デビュー戦から順に13・1/4馬身、12・3/4馬身、11・1/2馬身と、日本式にいえば3戦連続大差勝ちという怪物です。結果は6馬身差の楽勝。半年ぶりの実戦だったこと、初距離だったこと、スタートで出遅れたこと、メンバーレベルが高かったことを考えれば十分すぎる内容でした。

 父タピットは3年連続米チャンピオンサイアーとなった名種牡馬ですが、その後に現われたイントゥミスチーフ、さらにその後に現れたガンランナーの活躍により、やや影が薄くなった印象はありました。フライトラインがいずれ種牡馬入りすれば、シアトルスルーに源流を持つタピットの系統が主導権を奪い返す可能性があります。

 ちなみにこの日、8つ行われたG1のひとつウディスティーヴンスS(米G1・ダート7ハロン)で、3歳牡馬ジャッククリストファー(Jack Christopher)が10馬身差で圧勝し、通算成績を4戦全勝としました。こちらはミスタープロスペクター系のマニングスが父で、いずれフライトラインと雌雄を決することになるでしょう。アメリカ競馬のダートマイル路線が熱くなってきました。

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