【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・8/7 エルムS(GIII・札幌・ダ1700m)

 中団からしぶとく伸びたフルデプスリーダーがウェルドーンに競り勝ちました。前走のマリーンS(OP)と同じ1、2着です。父ヘニーヒューズは、アメリカからの輸入種牡馬で、中央のダートと地方競馬を合算した全日本ダート種牡馬ランキングで、現在首位を走っています。

 昨年も首位だったので、わが国におけるダート種牡馬界のキングといえるでしょう。その父ヘネシーは、名種牡馬スキャットダディの2代父でもあります。この父系は活力旺盛なのでこの先しばらく発展を続けるでしょう。ヘニーヒューズはアメリカに繋養されていた時代に、アジアエクスプレス、モーニンと2頭のGI勝ち馬を出し、わが国で供用されたあと、ワイドファラオ、アランバローズ、レピアーウィット、セキフウ、当レースで2着だったウェルドーンなど、多くの重賞活躍馬を出しています。

 本馬は3代母がケイティーズファーストなので、エフフォーリア(有馬記念、天皇賞・秋、皐月賞)と同じファミリーの出身です。生産した新冠の村田牧場は、今年に入って阪神大賞典(ディープボンド)、エプソムC(ノースブリッジ)に続いて3頭目の重賞制覇。2020年以降、ソリストサンダー、モズベッロといった重賞勝ち馬を出しています。

 牧場の規模から考えれば驚異的な成績です。牧場を切り盛りし、配合も考えていらっしゃる村田康彰専務は、該博な知識に裏付けられた確かな配合理論をお持ちで、わが国における最高の名人といえるでしょう。

◆今週の血統Tips

 先々週、テルツェットがクイーンSを勝ちましたが、父ディープインパクトにとって、4月の青葉賞(プラダリア)以来3ヵ月ぶりのJRA重賞制覇でした。3歳世代の活躍がイマイチで、古馬も大物が引退したり、怪我で休んだりするなど、もうひとつ波に乗れない印象です。

 今年の2歳世代は最後の世代でもあり、JRAに登録している産駒はわずか6頭。まだ1頭もデビューしていません。デビューしたとしても、あまりにも数が少ないので、2歳種牡馬ランキングの上位に食い込むといったことはないでしょう。

 現在、中央と地方を総合した種牡馬ランキングでは依然としてトップを維持していますが、収得賞金は約28億9000万円で、2位ロードカナロアの約27億4000万円とわずか1億5000円程度の差しかありません。

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