【長岡一也=コラム「競馬白書」】

◆多彩な出走馬のなかで、どこに目をつけるか

 新潟記念は夏の競馬の総決算だが、ハンデ戦だけに実績馬には厳しい。

 この10年、ハンデ頭の優勝はなく、6年前に七夕賞を勝って58キロを背負った4歳馬アルバートドックが一番人気で2着で連対を果たしたのが唯一の好成績で、あとは掲示板にすら載っていない。

 出走馬には様々な目標があり、この先を見すえているもの、サマーシリーズのチャンピオンを目論むもの、ここで出世の糸口をつかみたいものなど色々ある。

 それらを総合してここではどうかと考えるのだが、多くの思いを背負った一番人気がそれに応えたのは、8年前に小倉記念2着からここを勝った5歳馬マーティンボロ56キロと、4年前にダービー5着のあとひと息入れた3歳馬ブラストワンピース54キロの10年で2頭だけ。

 どちらも、コーナーが2つで長い直線を武器に勝っていた。広い外回りの2000米は、途中でラップが緩み、長い直線の追いくらべになることが多い。

 最後のひとハロンの攻防はきつく、そこの頑張りが利くかどうか。

 上がり3ハロンの最速馬は10年で6勝だから、それなりに頷けるが、そうではないものも10連対を果たしていて、展開や馬場によっては、あるていどの位置取りも有効になってくる。

 予測できるのは、最終週の馬場は荒れているので、先行馬たちが外に進路を取ることだ。その状況で各馬がどう対応するか。

 勝ち馬は、春のGIを戦って休んでいたもの、春勝ってオープン入りし休んでいたもの、クラシックを走っていた3歳馬、前走の重賞組の巻き返し、出世の遅れていた奥手の血統馬など色々だが、今年はどこに目をつけるか。

 顔ぶれを見ていてどうしても目がいくのが、5月の白百合S、7月のラジオNIKKEI賞と連勝した3歳馬フェーングロッテンだ。

 この2勝の中味が、異なる戦い方で、競馬に幅が出てこれから充実期を迎える存在と言ってもいい馬で、53キロも有利に働きそうだ。

 3歳馬の新潟記念出走は少なく、ブラストワンピースは35年ぶりの3歳馬優勝だったが、春はクラシックには手の届かなかったフェーングロッテンがここでどう戦うか、その動向は今後の新潟記念に新しい方向性を見せることになるかもしれない。

 シリーズチャンピオンの可能性のあるエヒト、ヒートオンビート、スカーフェイスの3頭の中では、七夕賞を勝っているエヒトが有利だが、ハンデ面からみると、函館記念3着からここに挑むスカーフェイスに魅力を感じる。右トモに緩さがあって左回りの成績がよくなかったが、前走の重い馬場でも頑張れたように、かなり改善されてきた。ハーツクライ産駒の奥手の血すじで、長くいい脚を使えるので、この広いコースは都合がいい。

 ヒートオンビートは七夕賞2着だったが、エヒトとのハンデ差を考えれば、同斤量の今回は逆転と考えてもいい。あとはステイゴールドの血を引くゴールドスミス、ディアマンミノル。

「この夏の 思い出ひとつ 手に入れる」

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